岩田博士は昼も夜も交代で潜水艇を稼働させシーラカンスを追跡することにした。夕方からスタートし、日没後の動きを探る。39時間経ってようやくシーラカンスは動き始め、岩陰を離れた。垂直の崖をのぼり、アーチ状の窪みに身を隠した。別の隙間には8匹ものシーラカンスが集まっていた。1匹は立ち泳ぎのような姿で白いおなかを見せていた。ケリー博士はおなかを白く変えて異性にアピールしているのかもしれないと指摘した。今回撮影されたシーラカンスの映像では、肉鰭を大きく前に突き出す動きが見られた。古生物学者の平沢博士は我々の手足の動きに結びつく下地になったのかもしれないと分析した。体が流されないようシーラカンスの肉鰭は緻密な動きをしていた。