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オープニング映像。
インドネシアのスラウェシ島周辺の海には世界で最も多様なサンゴ礁が広がる。インドネシアの協力を得て深海調査船「Ocean Xplorer号」による2週間のシーラカンス調査が許可された。アクアマリンふくしまの岩田博士と南アフリカ生物多様性研究所のケリー博士が調査をリードする。調査ポイントは火山が多く噴火が繰り返されている場所で、地殻変動などでできた洞窟などが海の中に続いている。船からの探査で深海に急な崖があることもわかった。
調査が始まり、岩田博士とケリー博士は潜水艇に乗って深海へ出発した。水深200mを超えると光の届かない深海となった。島の沖合を南北500mにわたって捜索する。壁沿いに動き、ライトに反射するシーラカンスの光る目を探した。ヒョウモンシャチブリなど珍しい魚も見つかったが、潜水艇のバッテリーの消耗が激しいため調査は中断となった。多くの島がひしめき合うこの海域には強い海流が流れ込む。変化が激しく予測不能な海が調査を阻み続けていた。
シーラカンスの仲間が誕生したのは4億年も前。かつては100種以上のシーラカンスが世界中の海で繁栄していたがl隕石の衝突で絶滅したと信じられてきた。しかし1953年に漁師によってシーラカンスが深海から釣り上げられ、化石と同じ姿のまま生きていることに科学者は驚いた。1997年にはスラウェシ島でもシーラカンスが釣り上げられた。アフリカとインドネシアの深海にわずかに生き残っていることがわかってきた。分析して年齢を推測すると約100年生きることがわかった。世界中の科学者が深海で生きる姿を観察しようと挑んできたが、今なお多くの謎に包まれている。
調査3日目。海流が安定し洞窟が多い水深160m付近を徹底的に捜索し、岩陰にシーラカンスを見つけた。10もの大きなヒレを持っていたが、どこかに泳ぐ様子もなく同じ場所にいるだけだった。海流の方向に合わせて体の向きをこまめに変え、流されないようにしていた。その時に肉鰭と呼ばれるヒレが重要な役割を果たす。多くの魚のヒレは根元に小さな骨があるだけで単純な動きしかできないが、シーラカンスの肉鰭の骨は3つの部分からなる。関節として動かすことで複雑な動きを可能にしている。シーラカンスのような肉鰭を持つ仲間が陸上進化の土台を作り、陸へ這い上がる手足へと進化していった。肉鰭をどう使って手足へと進化させたのかは今なお大きな謎となっている。
- キーワード
- シーラカンス
岩田博士は昼も夜も交代で潜水艇を稼働させシーラカンスを追跡することにした。夕方からスタートし、日没後の動きを探る。39時間経ってようやくシーラカンスは動き始め、岩陰を離れた。垂直の崖をのぼり、アーチ状の窪みに身を隠した。別の隙間には8匹ものシーラカンスが集まっていた。1匹は立ち泳ぎのような姿で白いおなかを見せていた。ケリー博士はおなかを白く変えて異性にアピールしているのかもしれないと指摘した。今回撮影されたシーラカンスの映像では、肉鰭を大きく前に突き出す動きが見られた。古生物学者の平沢博士は我々の手足の動きに結びつく下地になったのかもしれないと分析した。体が流されないようシーラカンスの肉鰭は緻密な動きをしていた。
定点カメラの映像ではシーラカンスが素早い動きでハダカイワシを捕食する様子が収められていた。岩田博士は水温の低い深海でエネルギーを節約した生活をしている、捕まえるときには素早く動いて逃さないようにしていると話した。シーラカンスの頭の上には頭蓋内関節という特殊な関節があり、この関節が開くことで口をより大きく開くことができる。かつて地球上では他の古代生物もこの関節を持っていたが、今でも持ち続けているのはシーラカンスだけ。またシーラカンスの中にはプラスチックごみを飲み込んで命を落としたものも見つかっている。
エンディング映像。
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