調査3日目。海流が安定し洞窟が多い水深160m付近を徹底的に捜索し、岩陰にシーラカンスを見つけた。10もの大きなヒレを持っていたが、どこかに泳ぐ様子もなく同じ場所にいるだけだった。海流の方向に合わせて体の向きをこまめに変え、流されないようにしていた。その時に肉鰭と呼ばれるヒレが重要な役割を果たす。多くの魚のヒレは根元に小さな骨があるだけで単純な動きしかできないが、シーラカンスの肉鰭の骨は3つの部分からなる。関節として動かすことで複雑な動きを可能にしている。シーラカンスのような肉鰭を持つ仲間が陸上進化の土台を作り、陸へ這い上がる手足へと進化していった。肉鰭をどう使って手足へと進化させたのかは今なお大きな謎となっている。