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オープニング映像。
氷の秘境、南極。その深い海の下には、未知の巨大生物が潜んでいるという。“シリーズ ディープ・オーシャン”では今回、国際共同プロジェクトで南極の深海に挑む。
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今回、深海調査船アルシア号が南極半島を目指した。世界一冷たい南極海に、未知なる深海が広がる。南極海の水深は沖は平均4000m、沿岸でも500mもある。厚さ2000m超の氷の重さで大陸が沈んだことで深海が生まれた。
南極海の調査に挑むのは3人の科学者。船上では透明ドーム型潜水艇のナディア号とディープローバー号に4K撮影システムを取り付ける準備が進む。先陣を切るのは南極調査50年の重鎮、クロード・ドゥブロワイエ博士。調査はまず、海底地形をソナーで探る。生物が多いのは水深500mの海底だという。
有人潜水艇による世界初の南極の深海の本格的生物調査が始まった。氷山に慎重に近づき、万が一に備えて2隻がそろって潜る。氷山の側面には不思議なくぼみが刻まれており、水温は-1.8度。水深50mで氷山の底が見えてきたが、生物の気配はない。さらに潜り、目標の水深500mに到着すると水温は-1.2度。海面のほうが温度が低い。
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南極の深海の本格的生物調査を行う有人潜水艇は、水深500mの海底に到着。海底は生き物で埋め尽くされていた。どの生き物も周りを漂う有機物をこし取って食べて生きているという。
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有人潜水艇が南極の深海を調査。海底には南極にしかいないコオリウオの仲間の姿もあった。コオリウオの特徴は血液が透明なこと。南極の海は冷たく酸素が豊富なため酸素を運ぶ赤血球がなくても生きられると考えられている。
有人潜水艇が南極の深海を調査すると、巨大なヒトデやガラスカイメンの仲間も立て続けに発見した。1mはあろうかという巨大なカイメンも崖を覆い尽くしていた。博士も想像もしていなかった大きさ。
巨大生物といえば当番組のチームが5年前に撮影したダイオウイカ。しかし、南極海で引き揚げられたライギョダマシには丸い傷跡がついていて、途方もない大きさのイカの吸盤の跡と考えられている。南極の巨大イカは40年近く前、旧ソ連の調査船が捕らえている。
南極海の巨大イカを追いかけるのはキャスリン・ボルスタッド博士。ライギョダマシの仲間をおとりにする作戦で潜水艇で潜る。水深500mに差し掛かったとき、暗闇の中に何かを見つけた。
有人潜水艇で南極の深海を調査。水深500mで現れたのは、10mはあろうかという巨大クラゲ。ダイオウクラゲの生態はまだよく分かっていない。クラゲは長い腕の部分をなびかせ、生き物を絡みとって食べると推定されている。
いったい何が生き物を巨大化させるのか。南極はかつて大陸の一部で温暖だったが、大陸から分裂し孤立、自転の影響で南極周極流という巨大な海流が生まれ、一気に寒冷化が進んだ。海が冷たくなると酸素が多く溶け込み、それが巨大化を促したと考えられている。さらに低温ゆえ大型の捕食者がほとんど住んでおらず、巨大化した生物が生き残りやすくなった。
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40年間、南極の生態系を調査してきたマーガレット・アムスラーさんは、生態系を支えるある生き物に注目した。ザトウクジラは冷たい海でも体温を維持できるため、周極流のバリアを越えられる数少ない生物だが、クジラの吐いた泡で獲物を追い込んで食べる「バブルネットフィーディング」を行う。北半球ではニシンを追い込むが、南極での獲物がナンキョクオキアミ。アムスラーさんは深海にオキアミの大群衆があるに違いないと考えた。
有人潜水艇で南極の深海を調査。クジラが頻繁に現れる海域で待ち伏せし、水面をオキアミを跳ねている場所に潜ると、水深250mで最初のオキアミを発見。さらに潜るとオキアミの大群衆に取り囲まれてしまった。ナンキョクオキアミのお腹の発光器官が青く光る様子も確認された。発光は深海に適応した証拠。
有人潜水艇で南極の深海を調査。ナンキョクオキアミの群れの周りではさまざまな海底の生き物がオキアミを捕らえていた。オキアミがいわば食料庫となって、巨大化した生き物たちを支えていた。オキアミを起点とした命のつながりは南極全体に広がっている。
南極の海底調査で、巨大イカの好物のライギョダマシが見つかった。そこで潜行できる限界の1000mの海底へ向かうと、骨となったクジラが横たわっていた。骨に残った栄養を目当てにさまざまな生き物が集まっていて、しばらく待ち伏せすると巨大なイカも現れたが、博士の乗る潜水艇はバッテリー切れ寸前で浮上した。
博士の乗る潜水艇は浮上したが、もう一方の潜水艇がウデナガニュウドウイカの姿を捉えた。大きさ2m近く。深海で生きた姿を捉えた世界初の映像。長い冬を生き延びるため、一部の吸盤が変化しかぎ爪になっているのが南極の巨大イカの特徴。
南極の調査終盤、科学者たちが気になったのは雨。南極半島ではここ60年で気温が2度以上上昇していて、温暖化の影響だという。深海でも温暖化の影響でタラバガニが生きられる暖かい場所も生まれ始めている。巨大生物を守ってきた冷たい海のバリアがほころび始めている。
世界で初めて挑んだ南極の深海調査。科学者たちは、本当の南極を知るには深海に行かなきゃダメだった、未知の生き物がまだいるというのは想像をかき立てるすてきなこと、南極の生物はまだ謎だらけでネバーエンディングストーリーなどと話した。
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