中国できょうから始まった旧正月 春節に合わせた大型連休。おめでたい赤色の服に身を包んだ子どもの姿もあった。今年は過去最多ののべ90億人が移動するとみられていて、北京市内の観光地には大勢の人が訪れていた。これに先立ちきのう、次々とペットが連れてこられていたのは犬用の高級ペットホテルだ。ペットが泊まるのはケージではなく床暖房完備の個室。飼い主はカメラでいつでも愛犬の様子を見ることができる。春節期間中は帰省などでペットを預ける人が多いためほぼ満室。いまこうした高級ペットホテルが各地にできているという。その背景にあるのは空前のペットブームだ。中国国内で飼われている犬の数は約5200万匹で、猫は約7100万匹にまで増加。若い女性やカップルを中心にペットを飼う人が急増しているということで、激しい競争社会で溜まったストレスやコロナ禍で抱えた孤独などを癒やすためとみられている。このペットブームに目をつけ中国で事業拡大を進める日本のベンチャー企業があった。ペット用品をオンラインで販売する会社「Onedot」は注文が入ると中国国内に約130カ所ある倉庫からオートバイで商品を運び、30分ほどで注文した人の自宅へ届ける。この会社でも旅行用のケージや留守宅のペットのための食事などが多く売れる春節需要に期待していた。中国で盛り上がりを見せるペット市場だが、経済低迷の影響も出ている。高級ペットホテルでは平日は空室が多く需要がある春節期間中も景気が悪いため料金を上げられないという。留守宅で世話をするペットシッターの需要も増えているが、時給1000円ほどの仕事に大学卒業後も就職できない若者が殺到しているのが現状だ。