トランプ政権によるメディアへの圧力が強まっていると、懸念の声が上がっている。今月ABCテレビの番組で人気コメディアンがトランプ氏の支持者の言動をやゆするような発言をしたあと、番組が一時休止された。休止に先立っては、政府機関のトップが放送免許の取り消しを示唆していた。言論と報道の自由が憲法で保障されているはずのアメリカだが、トランプ大統領は「私の悪い報道しかしない免許は取り消されるべきだ」との発言もしていた。その矛先は公共放送にも向けられている。トランプ大統領は、公共ラジオ放送NPRと公共放送PBSに対し「民主党寄りだ」「税金で左翼のプロパガンダ助長している」などの批判を強めた。議会では公共放送機構に対する連邦政府の資金提供を打ち切る法案が可決され、来月1日からは全米規模の放送局だけでなく地域密着のテレビ局やラジオ局も資金を受け取れなくなる。アラスカ州の島にあるピーターズバーグには公共のラジオ局のほか新聞が週に1回発行されるのみで、ラジオで地域の情報を受け取るのが住人の習慣になっているという。地元の選挙についても詳しく伝えるなどしていて、放送ができなくなると「地方の権力の監視」の役割が十分に果たせなくなる。資金打ち切りの影響は全米に及び、非営利団体「パブリック・メディア・ヵンパニー」の試算では「主に地方にある115の放送局が、今後1年以内に閉鎖に追い込まれる」としている。
