ジンやウォッカなど蒸留酒で作られる缶チューハイ。アメリカではコロナ禍まえの2018年から去年までで年平均28%で缶チューハイ市場が拡大している。ワインやカクテル、ウイスキーなどアルコール度数が高めのお酒を敬遠する傾向が特に若者のあいだで広がっている。健康志向から糖分やカロリーをおさえたアルコールを好む人も増えているという。ワインを主力にしてきたアメリカ大手酒類メーカーも5年前から缶チューハイを手掛け、成長市場を取り込むことに成功した。急成長するアメリカの缶チューハイ市場。日本メーカーも自社の強みを活かして攻勢をかけている。ニューヨークの酒店を訪れると、ある飲料メーカーは今年2月から本格的に現地で缶チューハイの販売を始めていた。果物を瞬間凍結することで果実感を強く出しているのが特徴。この会社は流行の発信地・ニューヨークに今年4月、研究拠点を開設しアメリカ人の好みに合わせようとしている。日本の製品に比べてカロリーを抑えることにして売上拡大を狙っている。アメリカの缶チューハイ市場について専門家は「SNSの急速な台頭で消費者は常に新しくてワクワクする製品を探している。その点でRTDはほかのどのカテゴリーよりもうまく提供している。特に経済的に裕福でない若い消費者はより手頃な価格で様々な味を体験できる製品は魅力的に映っている。」と指摘する。