SBI新生銀行は1998年に経営破綻した旧長銀(日本長期信用銀行)が前身で、国から投入された公的資金のうちおよそ3300億円がまだ返済できていない。これについて銀行は今年度中をめどに1000億円を返済する方針を明らかにした。国が保有している銀行の株式を優先株に切り替え、その配当を返済に充てる方法を軸に国と協議することにしていて、残る2300億円分の返済も視野に入れて資本金を取り崩すことにしている。銀行は返済の方法や時期が固まれば上場を検討するとしている。1990年代後半以降、バブル崩壊後の巨額の不良債権処理に苦しんだ日本の大手銀行に対して相次いで公的資金が投入されたが、SBI新生銀行は返済が終わっていない最後の金融機関となっていて、完済すれば四半世紀を経て未曽有の金融危機にようやく区切りをつける形となる。