ウクライナとガザではいずれも膨大な人道支援を必要としているが、そのニーズは到底満たされてはいない。こうした人道支援を行う「セーブ・ザ・チルドレン」は、予算額が2,000億円を超える世界最大規模の国際NGO。人道支援が必要な地域では、セーブ・ザ・チルドレンのような国際NGOが重要な役割を果たしている。しかしトランプ政権の対外援助の削減が、こうした国際NGOの活動を直撃した。セーブ・ザ・チルドレンのインゲル・アッシンCEOは「去年USAIDの予算が削減されたことで、多くの活動を急きょ中止せざるを得なかった。つまり世界中の何百万人の子どもたちが必要な支援を受けられなくなった」などと語った。セーブ・ザ・チルドレンが発表している報告書では、人道支援分野で今年支援が届く人は1,780万人と昨年比14%減となっている。各国政府などから集める資金目標も、昨年比20%減の約266億円の減額となっている。活動している45の国と地域のうち5か国で事務所を閉鎖し、3,500人のスタッフの解雇にも追い込まれたという。支援を削減しているのはアメリカだけではなく、ヨーロッパ諸国からの資金援助も減っているという。ウクライナ侵攻で各国が国防費を増額していることや、予算を国内課題により多く使うべきだとする声が強まっていることが背景にあるという。アッシンCEOは「栄養不良の人の多くは、重度の栄養失調で生き延びるのが難しくなる。学校の閉鎖は多くの子どもたちに教育を受けさせる機会を失わせる」などと語った。国際NGOは紛争地に留まらず、自然災害や気候変動などの影響を受ける人々にも重要な支援を提供している。しかしアメリカのルビオ国務長官は去年国際NGOを「納税者が負担する世界規模のNGO産業複合体」と呼び、不信感を隠さなかった。その見方は、国際NGOがアメリカ国民の税金をあてにした利権構造になっているという厳しいもの。アッシンCEOは「ひとつの国や少数の資金提供国への依存を今後は減らさないといけない。支援先の人人から、支援を続けられると信じてもらう必要がある」などと語った。世界各地で争いが絶えない中、増え続けるニーズに反比例するかのように各地で人道支援が減っていくことが懸念される。
