発酵蒸留サワーは度数3%なのに、しっかりお酒の満足感があるという。宝酒造開発部の一室で、新たなフレーバーの試作が行われていた。果汁を絞った後の柑橘の皮を使ったスピリッツがお酒の満足感の理由。これを開発したのは宝酒造ではなく、スタートアップのファーメンステーション。ファーメンステーションの社名は、発酵と駅を組み合わせた造語で、発酵技術を活用し様々な人が集まる駅のような存在になりたいという思いが込められている。発酵させる原料は、食品の製造過程で出る食品残渣。難しいとされる果物の皮も独自の技術で発酵させ、香り成分を引き出して蒸留することで抽出し強い香りを放つエタノールになる。発酵菌は数百種類を保有し、組み合わせで様々な香りを引き出すことができるという。
酒井里奈は10年働いていた金融の世界を離れ、2005年に東京農業大学に入学し発酵技術の世界に飛び込んだ。起業したのが岩手県奥州市で、2009年の在学中にファーメンステーションを創業した。作っていたのは、米から発酵させたバイオエタノール。ライスエタノールと名付けた化粧品の原料ができあがった。これがファーメンステーション最初の商品だった。その後、ファーメンステーションが飛躍するきっかけとなったのは、CTOを務める杉本利和との出会いだった。杉本利和はアサヒグループなどで20年以上発酵の研究に従事していて、2012年には東京大学より農学博士号を授与された。大手商品メーカーから発酵の専門家たちが続々と集まり、ファーメンステーションは発酵のプロ集団となった。今年11月、ポーラがゆずの搾りかすを活用したボディーソープを発売した。ケリング・ジェネレーション・アワード・ジャパンで、ファイナリスト11社に進出した。
酒井里奈は10年働いていた金融の世界を離れ、2005年に東京農業大学に入学し発酵技術の世界に飛び込んだ。起業したのが岩手県奥州市で、2009年の在学中にファーメンステーションを創業した。作っていたのは、米から発酵させたバイオエタノール。ライスエタノールと名付けた化粧品の原料ができあがった。これがファーメンステーション最初の商品だった。その後、ファーメンステーションが飛躍するきっかけとなったのは、CTOを務める杉本利和との出会いだった。杉本利和はアサヒグループなどで20年以上発酵の研究に従事していて、2012年には東京大学より農学博士号を授与された。大手商品メーカーから発酵の専門家たちが続々と集まり、ファーメンステーションは発酵のプロ集団となった。今年11月、ポーラがゆずの搾りかすを活用したボディーソープを発売した。ケリング・ジェネレーション・アワード・ジャパンで、ファイナリスト11社に進出した。