イタリア・シチリアは数千年にわたり人々を魅了してきた。イタリアは、ヨーロッパで最も高齢化が進んでいる。10年前から人口は100万人減り、次の10年でも同様に減少すると予測されている。シチリアの丘の町・ムッソメリは、危機感を持っているが、地元の人たちは、放棄された家を1ユーロで売る計画に期待を寄せているという。ムッソメリで育ったムッソメリ市・副市長のトティ・ニグレッリさんは「1ユーロハウスが問題解決のかぎになる」としている。注意点は、家の改修を2、3年以内に始める必要があり、もし改修をはじめないと、罰金として5000ユーロ支払うことになることだ。世界中から30万人以上がメールで問い合わせているという。1ユーロハウスを購入したルビア・ダニエルズさんは、退職後にここで暮らす予定だという。住民の中には計画に懐疑的な人もいる。若者は、仕事がないために出て行ってしまうという。数百軒が空き家か放棄されままになっている地域もある。ダニー・マッカビンさんは有名シェフが手がけた英国・ロンドンのコミュニティー食堂プロジェクトの仕事をしていたが、彼は1ユーロ計画を知り、家を購入した。広場で、コミュニティ食堂「グッドキッチン」を立ち上げた。食品の入った袋が生活に困っている家庭に届けられる。食堂は、 ボランティアで行われている。地元の人のほか、1ユーロハウスの購入者も集まっている。オーストラリア・ABCによると、ムッソメリの1ユーロハウス計画は6年前に始まり、これまでに400件売れているという。副市長は、ことしはさらに100軒売りたいとしている。1ユーロハウス計画は、地域再生の手段のひとつとして、イタリアの他の町でも行われていて、効果が広がるか注目される。