上海支局・菅野さんは「すでに中国ではUnitreeという会社が約10万円(約200万円)~という価格で人型ロボットを販売しているが、非常にベーシックなもので高度な人型ロボットは1台数千万円とされている。ただ、今回VTRでも紹介したUBTECHという会社は、工場などで使うことができる高度なロボットについて今後10万台を生産する頃には日本円で200万円~300万円を目指すと話していた。乗用車1台と同じ価格でロボットが手に入れられるという未来を目指しているようです」と言った。中原さんは「そもそも中国でロボットの開発がこれほど進んでいるのはなぜ?」と聞くと菅野さんは「”人口減少と少子高齢化による労働力不足の解消”という命題がある一方で、取材をしていると人型ロボットはある産業と非常に親和性が高いことが見えた。それがEV。モーターやバッテリーなどだけではなく、ライダーなどの精査やカメラはロボットでも自動運転が普及したEVでも欠かせない部品。乗用車向けのライダーセンサーで世界シェアトップの『robosense』という中国の会社は、自動車向けに培った技術を活かしてロボット向けのソリューション開発にも力を入れている。中国のロボット業界は一部半導体はアメリカに依存しているという課題はあるものの、EVで培った価格競争力に優れたサプライチェーンがあるので、さらにAIでもアメリカを猛追している。中国政府が重点分野として非常に力を入れているので、近い将来”人型ロボット”が中国の一大産業に育っていくとみられる」と話した。