イギリス・ロンドンの夜のグラウンドでラグビーボールを追いかけ走る大人たち。どことなくラグビー特有の荒々しさはないような…パスも優しくプレイヤー同士がぶつかり合うこともない。平日の夜にLGBTQの人たちが集まりタッチラグビーの練習をしている。タックルのかわりにタッチをするラグビーで、ケガのリスクが少なく年齢や性別を問わず誰もが楽しめる。タッチラグビーのチームを運営するのはLGBTQ+の支援団体「West London Queer Project」。ラグビーだけでなく様々な交流イベントを行っている。参加者は性的マイノリティーのとどまらず多種多様な人たちが集まる。イギリスは性的マイノリティーを自認する人の割合が11%、ロンドンでは毎年夏に性別などに関係なく平等に暮らせる社会の実現を訴えるプライドパレードが行われ100万人以上が参加している。町中にはLGBTQ+を表す記号や、性的マイノリティーの人が手を繋いでハートマークを作っている信号も。イギリスで性的マイノリティーに対する理解度が上がったのはここ最近のことで25年前の調査ではLGBTQ+関連の法整備達成度は、OECD加盟国の中で再開だった。今も地方などでは差別的な扱いも受けることがあるそうで、オオーブリーさんは“誰でも楽しめるラグビー”チームを作った理由がある。日本のある調査でも体育の時の服装や環境、更衣室の経験などからLGBTQ+の当事者はネガティブな経験をしていることが分かっている。去年結婚したばかりだというマイケルさんもその1人だが、タッチラグビーと出合ったことで次第に変わっていったのだという。チームが心がけているのはLGBTQ+だけでなく誰もが楽しみをみつけられる場にすること。スポーツの場で誰もが前向きな気持ちで楽しめるように。ロンドンでのこの取り組みはみんなが安心できる社会につながるヒントになるかもしれない。