米国みずほ証券・兼松さんは「TikTokがアメリカ市場で利用禁止となる可能性が高まり、投資家の間ではメタ・プラットフォームズやアルファベットなどがこれを機会にインターネット広告市場のシェアを拡大することが可能との期待が広がっている。ある調査によると、アメリカの広告市場においてTikTokのシェアはわずか3.4%にすぎない。しかしTikTokは若い利用者を対象としたビジネスにより、毎年急速なペースで売り上げを伸ばしているという点が米系のインターネット大手にとって不安の種となっていた。まずは親会社である中国のバイトダンスが期限である来月19日までにTikTokのアメリカ事業の売却に応じるかが焦点になっている。売却しなければアメリカ国内の利用禁止に直面する見通しで、TikTok側は9日、少なくとも連邦最高裁が審議するまで同法の発行差止めを裁判所に要請した。ただ投資家にとって最大の問題はこのさき、トランプ次期大統領がどう動くかを見極めるのが困難という点だと考えている。トランプ氏は前政権でTikTokに対し、アメリカ事業の売却を迫っていたが、今回の大統領選挙では若者の指示の取り組みを狙い、TikTokの利用禁止には反対する姿勢を示している。また現在はトランプ氏が自らSNSの「トゥルース・ソーシャル」を運営し、いまや同氏のよきパートナーであるイーロン・マスク氏がXを運営していることもあり話は余計に複雑になっている。さらに今後はトランプ次期政権が中国との駆け引きのなかで、TikTokをチェスの駒として使う可能性もある。今朝も中国当局がエヌビディアを独占禁止法違法違反などの疑いで調査を始めたと発表があったが、今後こういった駆け引きが難航し、米中の貿易戦争が本格化するとなれば中国で大きく事業を展開する米系のハイテク大手がその巻き添えにあうというリスクにも留意しておく必要がある。」などと述べた。