報道ステーション (ニュース)
中国が長年、金融措置をとってきた日本産牛肉。輸入再開を前提とした協定がきょう発効された。2001年、欧州を中心に蔓延したBSE(牛海綿状脳症)が日本でも発生し、中国は日本産牛肉の輸入を禁止した。2019年に日中両政府は牛肉の輸入再開に向け「日中動物衛生検疫協定」に署名したが中国側の手続きが停滞していた。
今回、水面下で動きがあった。中国当局の関係者が九州の畜産関係の工場を視察しているという情報もある。再開に向けた動きは両国で進んでいる中、きょう何副首相が来日。何副首相は米中交渉を最前線で行っている人物。きょうの挨拶では自由貿易体制を守る姿勢を強調。日中ともに関税交渉をめぐりアメリカと対立している中、日本との関係を評価しておきたいという思惑がある。一方、中国国内ではこのニュースはほとんど報じられていない。これから終戦の季節に入るため、中国国内であまり注目を浴びすぎると反発が可能性もあり慎重な姿勢も垣間見える。トランプ大統領の存在も影響。不動産不況もあった中国国内は現在貿易頼み。水産物の輸入再開、和牛のニーズも高く、そもそも日本との貿易総額は高いことから、関係改善が進めば中国に対し投資を呼び込んだり、国内の消費を活発化させる点も考えている。日本産牛肉の輸入再開は戦略的が政治カードとも言える。