国際報道 SPOT LIGHT INTERNATIONAL
ガザ地区での戦闘が始まってまもなく2年。イスラエル軍は強硬姿勢を貫いているが、国内では停戦を求める声も目立つようになっている。イスラエルのテルアビブで毎週行われる抗議活動。無言で講義するサイレントでもで停戦を求めている。掲げているのは、イスラエル軍の攻撃で亡くなったガザ地区の子どもたちの写真。人権活動家のアルマ・ベックさんは、今年3月にこの抗議活動を始めた。当時イスラエル軍はイスラム組織ハマスとの停戦協議が難航し、ガザ地区への攻撃を再開。地元当局の発表では、その日だけで400人以上が死亡。これ以上の攻撃は犠牲者を増やすだけで人質の解放に繋がらないと考えたベックさんは、子どもたちの写真を見せることでイスラエルの人たちの心に訴えようとした。感情的な対立を避けるため、抗議活動は無言で行うことにした。イスラエルのメディアが連日伝えるのは、イスラエル軍の作戦や兵士の被害、そして人質の状況。パレスチナの子どもたちの犠牲を伝えることはほとんどない。抗議活動には様々な反応が寄せられる。好意的な人がいる一方で、ハマスの壊滅を支持する市民からは激しい反発を受けることもある。それでもベックさんはガザ地区の実態をイスラエル側の被害と同様に直視すべきだと考えている。当初20人だったデモの参加者は、回を重ねるごとに増加。約1000人が参加するまでになった。最近参加するようになった人たちは、パレスチナの人々の犠牲をようやく口に出せるようになったという。