NHKニュース7 (ニュース)
iPS細胞の応用に期待をしていた京都大学の山中伸弥教授。それから12年余、大阪大学発のベンチャー企業がiPS細胞から作った心臓病治療に使う細胞シートについて、厚生労働省に製造・販売の承認申請をした。治験患者は重い心臓病の患者8人でいずれも疲労感・どうきなどの症状が軽くなり、半数以上は心機能の数値が改善され、重い副作用などは起きていないという。承認されればiPS細胞を使う治療として世界初となる。iPS細胞の治療への応用を目指した研究は国内外で進められている。慶応大学などのグループは脊髄損傷患者にiPS細胞から作った神経のもとになる細胞を移植し、運動機能の改善がみられたという。去年9月には、中国の研究グループが糖尿病の患者に細胞を移植しインスリン投与の必要がなくなるまで回復したという。ミニ心臓は大阪・関西万博で展示され、今回承認申請の細胞シート技術を使用している。承認のポイントは安定的につくれているかも重要になるという。