ワールドビジネスサテライト (ニュース)
気象庁は来月からの3ヵ月予報を発表し、エルニーニョ現象などの影響で今年の冬は暖冬傾向になるとの見方を示した。エルニーニョ現象は世界的に異常気象をもたらしているが、注目されるのが人工的に気象を制御する技術である。
奥多摩町の小河内ダムには人工降雨の装置がある。強力な送風機で雲の中に送り出されたヨウ化銀は雲の中で水蒸気と結合し氷の粒になり、これが溶けて雨となる。この装置が最後に使われたのは2001年、利根川水系ダムが渇水した時だが、いまは取水制限が発せられた時に目安となっている。こうした技術は海外でも広がり、北京オリンピック時、中国政府は人工消雨作戦を実施したとされる。インドでは大気汚染が深刻で、近く人工降雨実験を行う見込み。
神戸市中央区の理化学研究所の三好さんは、スーパーコンピューター「富岳」を使って気象制御の研究をしており、政府主導の大型研究プロジェクト「ムーンショット目標」のひとつを取り仕切っている。現在は富岳などでシミュレーションし、気象制御に適した手段を探っている。