THE TIME’ TIMEレポート
全国160もの自治体が参加した日本最大級のふるさと納税イベント。返礼品の無料試食が決め手となるという。自治体側は“我が町に寄付を”と、あの手この手でアピール合戦。みかんジュースをアピールするため、愛媛県愛南町は蛇口を使用。ドジャース・大谷翔平選手のふるさと、岩手県奥州市は前沢牛の試食。
実質2000円でお得に返礼品がもらえるふるさと納税は昨年度、全国の寄付額がついに1兆円を突破。自治体別の寄付額で全国3位となった大阪泉佐野市の原動力が、秘伝のたれに漬け込んだ牛ハラミの焼き肉。全国2位は北海道紋別市。紋別市のホタテは、あるふるさと納税サイトでは今月およそ76万点の返礼品の中で一番人気(ふるさとチョイスHP・11月月間ランキングより)。そして193億円以上の寄付が集まり、2年連続で日本一の自治体が宮崎県都城市。今回のイベントの秘策は「30分間・自慢の芋焼酎が飲み放題」。人気のローストビーフや炭火焼き鶏などを試食しながら、じっくりアピール。
一方で税金の減収に悩まされている都市部。今年度、区民税の1割にあたるおよそ20億円が流出した東京・千代田区では、先月から返礼品の提供をスタート。その一つが、文豪・夏目漱石も愛した創業121年、歴史あるレストラン「日比谷松本楼」の名物・ハイカラビーフカレー。この味を再現したビーフのほか、ポークやチキンなどのルー8個の詰め合わせ。農林水産物の資源が乏しい千代田区だが、文化を生かした返礼品も。江戸流手打ちそばの体験は、江戸時代に考案された伝統的な技法を学びながら自分で打ったそばを味わえる。