アニマルドック 謎多きペンギンの体を徹底解剖!
今回調査する動物はペンギン。地球上にペンギンは全部で18種類。大きさも見た目も違う。地球上で一番小さいペンギンはコガタペンギンで体長約35cm。一番大きい種がコウテイペンギンで体長約120cm。ペンギンは必ずしも南極の氷の上にいるわけではない。氷も雪もない森にすんでいるフィヨルドランドペンギンや岩場や草原にすむマゼランペンギンがいる。ペンギンは実は意外と危険な生き物かもしれないという。それを調べに長崎ペンギン水族館へ。全18種類のうち半分を飼育しペンギンの飼育種類数世界一。この水族館で一番大きな種はキングペンギン。南極に近い亜南極で暮らしているため室温は10℃前後に保たれている。大切なのは健康管理。体重測定をしようとすると強烈な翼の乱れ打ち。これが危険な理由なんだそう。飼育員の大久保さんは「かなり痛いですね。アザができそうなくらい」と話した。翼はペンギンの場合はフリッパーと呼ばれている。フリッパーの強さを機械で測ると20kg重を超えた。ウミネコの骨格を見ると翼は骨の関節が動く構造になっていて隙間があり体が軽くなる仕組みをしているが、ペンギンは関節が癒合し1枚の板のようになっている。ペンギンの全身をCTスキャンで見るとフリッパーの骨は中がぎっしり詰まっていて空洞がない。ハヤブサの翼の骨は空洞があり空を飛ぶのに適している。つまりフリッパーの威力の秘密は板状で中身の詰まった頑丈な骨にあったのだ。ペンギン会議の上田一生さんによると空気より水中のほうが抵抗は約12倍大きいため骨は重くて頑丈なものが必要なのだという。もう1つの強さの秘密がお腹側にある重くて大きな骨・竜骨突起。両側はフリッパーを動かすための大胸筋に支えられ素早く泳ぐことができる。幅6mの水槽でジェンツーペンギンの速さを測ると1.97秒で時速にすると11km。野生では時速36kmという報告も。フリッパーと発達した大胸筋がペンギンの進化の証し。フリッパーはボートのオールのようなもの。ヒトの骨格をペンギンと同じようにたとえたものをイラスト化した。20km重のフリッパーの威力を体験した。竹刀や木刀で叩いたような痛さだという。フリッパーは仲間同士のケンカや身を守るときなどにも使用。
人間の骨は約206本でペンギンは112本。ペンギンは体の中に足の骨が入っている。大腿骨という人間でいう太ももの骨がペンギンは横になっていてひざがありその下にまっすぐにすねの骨があり地面についている部分は指の骨。ペンギンは全体重を3本の指で支えている。ペンギン歩きに実際にやってみた。まず顔を上げて前を向く。胸を張って手を体の横に。かかとを上げた状態で歩くとペンギン歩き。ペンギンは一生の7割を海で過ごす。全身が水中生活になれるために流線形になっている。邪魔になる足は一番体から遠いところに進化した。この試練に耐えられない種類は絶滅していった。