首都圏ネットワーク (ニュース)
埼玉県秩父地方の山あいにあるゴルフ場。59歳の関口忠男さんは今年の3月に会社を定年退職、ゴルフが趣味で先月からここでリゾートバイトをしている。週4日~5日、受け付けや清掃の仕事をして月の手取りは約15万円。家族と離れ住み込みで働く関口さんの寮費・光熱費は無料、食費は1食約300円ほどの負担で3食提供される。都内の外資系化学メーカーで営業職を務めていた関口さんはノルマに追われる毎日を送っていた。定年後これからの人生を考えた時、自分がワクワクすることに1歩踏み出したいと思うようになった。期間は当面9月までだが、関口さんはそれ以降延長して働くことも考えている。都内の専門の仲介業者によると、こうしたリゾートバイトの50歳以上の就業者数はこの10年で約8倍に増えたという。中高年のリゾートバイトは採用する側にとってもメリットがある。神奈川県箱根町で江戸時代から続く温泉旅館。ここで働く60歳以上のアルバイトは16人で、それぞれ豊富な経験を持っている。73歳の名越一久さんはかつてレストランの勤務で培った丁寧な接客が客からのアンケートで高い評価を得ている。その姿は一緒に働く若い世代にも刺激を与えている。旅館では客からの評価を給与に反映する仕組みにしていて中高年が働きがいのある環境づくりを心がきている。旅館ではこれからの繁忙期やインバウンド客の増加に備えて中高年の採用を更に増やしていきたいとしている。