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このあとアメリカ・トランプ大統領と中国・習近平国家主席の会談が北京で始まる。焦点は大きく3つあり、「経済・貿易」「台湾問題」「イラン情勢」をめぐる協議。貿易についてワシントン支局・宇井五郎は「トランプ大統領は、中国によるアメリカの農産物の輸入拡大で11月の中間選挙の勝利に繋げたいとの思惑がある」と説明。中国に大豆や牛肉、豚肉など農産物の輸入拡大や、イランの原油輸出の8割以上を購入する中国に対しアメリカ産に切り替えるよう求める可能性がある。CEOが同行しているボーイングの航空機の購入など様々な取引をまとめ、与党・共和党の支持基盤に訴えたい考え。トランプ政権高官によると、数百億ドル規模の貿易を扱う貿易委員会の設立について協議する予定。北京支局・坂井田淳によると、習主席はアメリカ側に配慮を見せる部分と譲歩しない部分を使い分けるとみられる。中国が最も切りやすいとみられるカードが大豆の大量購入。北京の大豆卸売業者からは、原油価格の高騰でコストが上昇しているとして、南米産よりも輸送コストの安いアメリカ産の輸入を歓迎する声が聞かれた。ディールのしやすい大豆で譲歩し、アメリカをつなぎ留めておきたい思惑が見え隠れする。
中国が今回の米中首脳会談に向けた文書では、台湾問題が真っ先に書かれている。中国共産党の機関紙「人民日報」は「台湾問題は最も重要で最も敏感な核心的な問題」と強調。アメリカが台湾への武器売却を控える替わりに、大豆や航空機などアメリカ産品の大量輸入をカードとしてちらつかせている。今回の会談では、台湾をめぐってアメリカが中国に譲歩する可能性は低い。アメリカはこれまで一貫して独立を支持しない立場を取ってきた。トランプ政権高官は会談に先立ち「政策の変更は見込んでいない」と強調したが、トランプ氏がディールに必要だと考えれば、土壇場でカードとして繰り出す可能性もある。
トランプ氏はアメリカを出発する前、イラン情勢をめぐり「助けは一切必要ない」と言い切っており、中国に足元を見られないよう強気の姿勢を崩していない。イランとの停戦協議は停滞しており、イランの最大の貿易相手国である中国にホルムズ海峡の開放やイラン産原油の輸入停止の働きかけ、輸入する場合には中国への追加制裁を議題とする可能性もある。中国は既にイランに対して働きかけを始めている。中国・王毅外相は6日、北京でイラン・アラグチ外相と会談。中国側がかねてから「ホルムズ海峡の通行は国際社会共通の関心事だ」としているのに対し、アラグチ外相は「ホルムズ海峡の開放問題はできるだけ早く解決すべきだ」と応じ、中国の仲介に一定の配慮を見せている。中国としても、国際社会からアメリカが求める形でイランに圧力をかけたとみられないよう、先手を打ったといえる。
