みみより!解説 (みみより!解説)
国会は今参議院で予算案の審議が連日行われている。解説は曽我英弘解説委員。備蓄米に言及。石破内閣は不安定さが目立ち与野党のこれまでの協議にも課題が残っている。NHK世論調査、内閣支持率は今月8ポイント下がって36%。支持しないは10ポイント上がって45%。支持の割合が比較的高かった60歳以上でも50%を割り込み政権発足後最低となった。要因は政権として判断が遅くぶれも目立つ点。高額療養費制度を巡って政府は当初、負担上限額を今年夏から再来年にかけて3段階で引き上げる方針だったが、世論調査初日の7日最終的に見送った。制度の持続可能性を維持し現役世代の保険料負担を抑制するためとしてきた石破総理だが、患者負担が重いとの声に加え方針が二転三転し、不信感を招いたことは否めない。一連の対応への不満、内閣を支持しない理由として「政策に期待が持てない」という人が39%を占めたことからも伺える。各党の状況、自民党は29.2%。政権発足時からおよそ5ポイント減らし夏に参議院選挙を控え石破総理の求心力低下を指摘する声も漏れている。一方、国民民主党は8.4%と立憲民主党を初めて上回った。これが39歳以下に限れば10%台後半と自民党と同程度。れいわ新選組も6%に上っている。野党各党は、予算審議などで存在感をいかに高めるかこれが課題となっている。
新年度予算案が修正され衆議院を通過したことを評価する人は、大いに、ある程度合わせて43%。評価しないは、あまり、全く合わせて49%だった。野党の賛成を得るため政府与党が要求に向き合い予算案が修正されていく過程が見えやすくなったのは成果。また省庁別審査の導入で支出の中身、規模が適正かどうか細かくチェックが可能になったことにも評価の声が上がっている。ただ課題も残る。教育や税制といった国の重要政策を変更した場合の効果、必要性の検証が限られた時間の中で十分だったのかという点。このうち所得制限を撤廃し高校授業料の無償化を進めることを評価する人は大いに、ある程度合わせて51%、評価しないは44%だった。与党と日本維新の会の合意では無償化の先行措置として今年4月から公立、私立を問わず年間11万8800円の支給。また来年4月からは私立の上限額を現行の39万6000円から45万7000円に引き上げるとしている。教育機会の均等、つまり所得にかかわらず高校を選びやすくなるとの評価の声がある。一方で教育の質の向上の議論が後回しになったとの指摘の他、東京、大阪などで公立離れを加速させ逆に私立が少ない地方ではメリットがあまりないのではないか。さらに、便乗値上げ、 裕福な家庭では塾代に回る可能性また、自民党内には外国人も公費を使って無償化の対象とすることに疑問の声も出ており制度設計の議論続くことになる。
国会は今参議院で予算案の審議が連日行われている。NHK世論調査、103万円の壁については所得制限を設けたうえで所得税の非課税枠を103万円から160万円に引き上げる与党の法案を評価する人は大いに、ある程度合わせて44%。評価しないはあまり、全く合わせて49%だった。与党は今回の措置で単身者の場合だが、2万から4万円程度の減税効果があると試算。一方で国民民主党は所得制限が設けられたことで制度が複雑になり現役世代、とりわけ中間層以上のメリットが極めて薄いと賛同しなかった理由を説明している。そして一連の協議で指摘されるのが財源の議論。高校授業料の無償化で初年度1064億円が必要に。また年収の壁の見直しで税収が6210億円減ることになった。政府は基金の返納や予備費の削減などで充てることにしているが恒久的な財源の確保がこれからの課題。このため自民党内では野党から合意を取り付ける度に歳出拡大や減税が続くことへの懸念、さらには政策の要求だけでなく財源確保の責任も共有すべきだとして、野党側に連立参加を求める声も出始めている。今後の国会は、高額療養費制度の方針転換で予算案は再度、修正されるという異例の事態となる。また焦点の企業、団体献金について今月から議論が本格化しているが、自民党は透明化を掲げ政党ごとに寄付の総額や年間1000万円を超える寄付をした企業、団体名と金額を公表する改正案を国会に提出した。これに対し野党側は国民民主党を除いて禁止を主張している点では共通しておりこの問題で足並みをそろえる可能性がある。また選択的夫婦別姓について自民党内の意見が分かれ、一方で立憲民主党は衆議院法務委員会の委員長ポストを握ったことで国会論議を主導することになる。石破政権は課題ごとに連携相手が異なる、いわゆる部分連合で対応する方針。ただ予算審議同様与野党の調整は、今後も難航が必至の状況。