制度開始から20年 見えてきた課題は

2025年7月24日放送 19:16 - 19:21 NHK総合
NHKニュース7 (ニュース)

責任能力なしで不起訴・無罪になった重大事件の加害者に適用される医療観察制度。制度開始から20年。7年前に知人への傷害事件で逮捕された30代男性は、この医療観察制度の対象者で、週に1度精神科を受診している。男性は傷害の罪で起訴されたが、心神喪失で責任能力なしと判断され裁判で無罪に。検察が医療観察制度に基づく審判を申し立てて、裁判官と医師の合議で入院が決定した。3年間入院治療を受けて、通院に切り替わった男性。病状悪化しそうなときの対処方法など細かく決めている。医療観察制度で治療を受けた人はおととしまでに5100人余。司法と精神医療の連携が初めて制度化されたという評価がある一方、入院長期化のケースもあり検証が必要という指摘も。また、事件被害者のサポート面でも課題が。山梨県の女性は、去年兄が同居人に刺され亡くなったが、心神喪失判断で不起訴となっていた。女性は審判の傍聴を希望したが、理由記されず不許可の書面が届いたという。女性は「被害者がおきざりになっている」と語った。審判の傍聴については、これまでに希望があった207件のうち180件で許可されているが、許可されなかった分の理由について最高裁は明らかにせず。この20年で、刑事裁判では被害者参加制度が導入され、被害者が意見述べることができるようになった。また被害者の心情を加害者に伝える制度も始まっている。しかし医療観察制度が適用された事件ではこれらの制度の対象にならず、被害者の団体から改善求める声も。専門家は「被害者への贖罪を果たす間接的な機会を設けることが本人の社会復帰という意味でも適切な場合がある」などと指摘。


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慶應義塾大学最高裁判所被害者参加制度山梨県医療観察制度

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