NHKスペシャル 絶海に眠る 巨大洞窟
洞窟の入口は30か所近く存在。伊左治はこれらの洞窟が地下で複雑に繋がり広大な水中世界を作っているのではないかと考えた。2024年12月、南大東島の地下空間の全貌を明らかにするための大規模な調査プロジェクトが始まった。集まったのは未知の洞窟の存在を知った海外のトップダイバーたち。NHKの取材班も調査に同行し洞窟内部を8Kカメラで記録する。伊左治を筆頭とした総勢9名の調査隊が水中洞窟の大きさや構造を明らかにし、地下世界の全貌解明を目指す。この調査のためにダイバーたちは訓練を重ねてきたが、南大東島の地下洞窟は誰も立ち入っていないため細かい砂や泥が沈殿していてライトで照らしても視界が不明瞭になってしまうという難題が。調査初日、島の南西部の水中洞窟から探索がスタート。ルートを見失わないよう命綱を張りながら水中を進んでいく。わずかな水流でシルト(細かい泥)が巻き上がる。奥へ進んでいくと柱のように立ち並ぶ鍾乳石を発見。鍾乳石は通常白いはずだがなぜかインクを垂らしたかのように黒い。調査隊によって「ブラックケイブ(黒の洞窟)」と名付けられた。その後も複雑な形を形成する鍾乳石をいくつも発見した。潜水開始から1時間。空気の残りが少なくなったため入口に戻りかけたその時、高さ7mを超える鍾乳石を発見。鍾乳石は1cm成長するのに100年かかるといわれている。これは少なくとも7万年以上の歳月をかけできたと考えられた。科学者たちは今、長年の研究と今回の探検調査によって得られた知見から全容を明らかにしようとしている。