2025年8月24日放送 21:00 - 21:50 NHK総合

NHKスペシャル
絶海に眠る巨大洞窟南大東島・驚異の水中世界▼絶景を世界初撮影

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(オープニング)
今回は…

沖縄本島から360km東に位置する南大東島。山も川もないまっ平らな島の下で去年、美しい水中洞窟が発見された。日本最後の秘境を調査する探検隊に密着。未知の水中世界を8Kカメラで撮影した。

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南大東島沖縄県
オープニング

オープニング映像。

絶海に眠る 巨大洞窟
南大東島 謎に満ちた秘境

沖縄県の南大東島は直径6kmほどの小さな島。周囲は断崖絶壁に囲まれ、波が高く大型の船は接岸できない。小さな船は釣り上げて上陸する。現在、約1200人が島に暮らしている。人々の暮らしを支えるのはサトウキビ栽培。島の畑のあちこちには巨大な穴が空いていて約50年前には大規模な洞窟調査が行われた。結果、島に100以上の洞窟が存在することが判明。日本屈指の水中探検家である伊左治佳孝は2024年、洞窟の奥に美しい水中空間が存在することを発見した。

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南大東島 驚異の水中世界

洞窟の入口は30か所近く存在。伊左治はこれらの洞窟が地下で複雑に繋がり広大な水中世界を作っているのではないかと考えた。2024年12月、南大東島の地下空間の全貌を明らかにするための大規模な調査プロジェクトが始まった。集まったのは未知の洞窟の存在を知った海外のトップダイバーたち。NHKの取材班も調査に同行し洞窟内部を8Kカメラで記録する。伊左治を筆頭とした総勢9名の調査隊が水中洞窟の大きさや構造を明らかにし、地下世界の全貌解明を目指す。この調査のためにダイバーたちは訓練を重ねてきたが、南大東島の地下洞窟は誰も立ち入っていないため細かい砂や泥が沈殿していてライトで照らしても視界が不明瞭になってしまうという難題が。調査初日、島の南西部の水中洞窟から探索がスタート。ルートを見失わないよう命綱を張りながら水中を進んでいく。わずかな水流でシルト(細かい泥)が巻き上がる。奥へ進んでいくと柱のように立ち並ぶ鍾乳石を発見。鍾乳石は通常白いはずだがなぜかインクを垂らしたかのように黒い。調査隊によって「ブラックケイブ(黒の洞窟)」と名付けられた。その後も複雑な形を形成する鍾乳石をいくつも発見した。潜水開始から1時間。空気の残りが少なくなったため入口に戻りかけたその時、高さ7mを超える鍾乳石を発見。鍾乳石は1cm成長するのに100年かかるといわれている。これは少なくとも7万年以上の歳月をかけできたと考えられた。科学者たちは今、長年の研究と今回の探検調査によって得られた知見から全容を明らかにしようとしている。

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南大東島 誕生の秘密

南大東島が最初に生まれたのは5000万年前。現在の場所から1000kmも離れた場所だった。その後、フィリピン海プレートに乗って移動。プレートの移動にともなって島が沈んでいき、浅い水面下で新たな珊瑚礁が誕生。珊瑚礁が上へ上へと積み重なり、それを繰り返すことで今では2000mにもおよぶ壮大な石灰岩の山が築き上げられたと考えられている。海面下に沈んでいた石灰岩の巨大な山がプレートの隆起によって上昇し海面から顔を出した際、雨などの水にさらされ溶け出し洞窟を形成。現在は海水が上昇し沈みこんだ部分が水中鍾乳洞となった。鍾乳石の黒い色は水中に含まれるマンガンが長い年月を経て付着したと考えられている。

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南大東島 驚異の水中世界

今回の調査で黒の洞窟の構造を描く地図が完成した。迷宮のように入り組む最も長いルートをつなぐと400mにも及ぶことがわかった。調査隊は黒の洞窟から300mほど離れた場所に位置する洞窟も調査したが分厚いシルトに阻まれ断念。探検家たちが引き上げる際、一瞬見たものは「ホワイトケイブ」と呼ばれる透明や真っ白な鍾乳石だった。今回の調査ではその様子を映像に記録することができなかったが探検家たちはこれまで見たその洞窟より美しいと口を揃えた。

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南大東島 謎に満ちた秘境

毎年9月、南大東島ではサトウキビの豊作を願う祭りが行われる。洞窟にはサトウキビの栽培に欠かせない豊富な淡水が溜め込まれる。島の人々は洞穴からポンプで水を汲み上げ栽培に利用。伊左治は島のサトウキビ農家のためにも水中洞窟の全容を明らかにし生活に役立ててほしいと考えている。

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南大東島 ”神秘の水中洞窟”に挑む

2025年1月、伊左治と取材班はシルトに閉ざされた白の洞窟に再挑戦するための作戦会議を行った。今回目指すのは洞窟内部の撮影、内部の3DCG化。使用するのは最新のフォトグラメトリーという仕様。高精細カメラで様々なカメラで撮影した映像をつなぎ合わせることで詳細な立体構造を再現することができる。照明を持ったダイバーが先陣を切って慎重に進み、取材班は白の洞窟を撮影することに成功。鍾乳石の合間をシルトが巻き上がらないよう注意して進んでいくとまるで珊瑚のような不思議な形をした鍾乳石を発見した。洞窟のつきあたりには花のように咲いた 鍾乳石の空間が。水に溶け込んだ石灰岩の成分が途方もない時間をかけて結晶化し、自然が彫刻したような葉の形を生み出した。今回撮影した映像をもとに洞窟内部を3DCGで再現。水中に広がる洞窟は高さ8m奥行き35mにもなる大空間だったことが判明した。また、洞窟の奥に広がっていた花園のような空間があったのは入口から120mも進んだ地点だった。サトウキビ畑のわずか10mほど下に位置する巨大な水中空間の存在が初めて明らかになった。今回、特別な許可を得て、水中洞窟の鍾乳石を採取し調査。その結果、この鍾乳石が成長を始めたのは11万年前で1万年前に成長が止まっていることがわかった。鍾乳石は水に状態にあると成長することができないため、1万年前までは海水面が今よりずっと低く地上に出ていたことを示している。2万年前の地球は氷期。海面は現在よりも大幅に下がっていた。大規模な海水右面の低下が繰り返されたことで南大東島の地下深くまで洞窟が作られていった。

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南大東島 足元の知られざる水中世界

伊左治と取材班はさらに調査を繰り返し新たな発見を続けている。黒の洞窟では生物を発見。絶滅危惧種のドウクツヌマエビだった。さらに水中洞窟で固有の進化を遂げたとみられるヨコエビの仲間も発見。さらに白の洞窟に勝るとも劣らない美しい洞窟も見つけた。その洞窟には光を通すほど透明度の高い鍾乳石があった。

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