ニュースウオッチ9 (ニュース)
東京証券取引所はきょうから取り引きの終了時間を30分延長し、午後3時半まで、取り引き時間は5時間半となった。終了時間の延長は70年ぶり。きっかけとなったのは、丸1日取り引きが停止した4年前の大規模なシステム障害だが、今回の延長によって投資家の動きに変化はあるのか。午後3時ごろ、証券会社の営業拠点。これまでは株式の売買注文を締め切っている時間だったが、この時間を過ぎても顧客からの注文が寄せられていた。岩井コスモ証券東京コールセンター・渡邉義浩営業課長は「これがスタンダードになると思う。応えられるようにしていかなければと思う」と語った。
取り引き時間の延長。投資家はどのように見ているのか。19年にわたって、専業で株式投資を行ってきた個人投資家・テスタさんは「30分延長されたことは、チャンスが広がるともとらえられるが、時間が間延びするので、値動きはおとなしくなる可能性もある」と語った。これまで荒い値動きとなっていた取り引き終了間際の時間。東証は最後の5分間、売買を成立させず、注文だけを受ける新たな仕組みも導入。テスタさんは、今後もルールの変更には柔軟に対応していきたいとしている。
きょうから始まった東証の取り引き時間の延長。終了時間を30分延長したことで、取り引き時間は午前と午後合わせて5時間半となった。ただロンドンやニューヨークなど、海外の主要な取引所と比べると長くはない。東証としては今回の延長によって、市場としての国際競争力も高めたい考え。今回の東証の取り組みについて、大和総研政策調査部・神尾篤史主任研究員は「東証として30分延長したのは、“世界に肩を並べる一歩”としてとらえていると思う。“取引量が増える”。投資家にとっては投資機会が増える。東証としても証券取引の場を提供する意味でもメリットになるのかな」と述べた上で、今後の課題について「東証が思うような売買高、売買代金が増えるのは考えづらい。そこに並ぶ銘柄の魅力を上げていくことが重要」と述べた。