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アメリカ南部、メキシコと国境を接する川沿いの町イーグルパス。国境管理をめぐっていま地元の州政府と連邦政府が対立する事態が起きている。テキサス州は先月、州独自の判断で町の国境沿いに州兵を配備。これまで取り締まりにあたってきた連邦政府の国境警備隊を締め出した。この町には去年、メキシコ側から水深の浅い川を渡って入国を試みる人が集中。米メディアによると1日4000人以上にのぼる日もあり増加に歯止めがかからなくなっている。このためテキサス州は越境が相次いでいた約4キロの区域を自分たちの管理下に置き川を渡れないように封鎖。ただ国境警備は本来連邦政府の管轄のためバイデン政権は「政府の活動を妨害している」と批判している。ケキサス州のアボット知事はこれまで国境を超えてきた10万人以上の人たちをバスでニューヨークなどに送り受け入れを迫るなど厳しい対応をとってきた。アボット知事が険しい表現を用いる一方で、母国の経済危機・政情不安からアメリカを目指した人たちもいる。国境を超えてきた人たちの受け入れ施設では支援団体が食事などを提供し一次的に滞在できるようになっている。移住希望者の急増で定員ギリギリの状態が続いている。テキサス州の独自の対策には反発も。その一つが越境を防ぐために張り巡らされたワイヤー。鋭いカミソリがついていて、国境を超える際にケガをする人が続出。移民の支援団体は「憎悪に満ちた非人道的な政策」だと非難。また先月、テキサス州が国境沿いの公園を封鎖した直後、川を渡ろうとした女性と2人の子どもが溺れて亡くなった。バイデン政権は政府の国境警備隊が敷地内に入って救助を行えなくなっていると批判している。ただ国境沿いでは対策の強化を支持する声もあがっている。テキサス州は国境沿いの対策強化によって過剰摂取で死亡する人が増加している薬物を相次いで押収したと発表した。バイデン政権は寛容とされてきたこれまでの対応を転換しより厳格な国境管理を導入しようとしている。