ZIP! SPORTS
パリ五輪の金メダリスト・堀米雄斗と吉沢恋が出場するスケートボードのプロツアーが、東京・有明アリーナで行われた。スケートボード・ストリートの世界最高峰のプロツアー「SLS(STREET LEAGUE SKATEBOARDING)」は世界のトップ選手が招待制で出場する大会で、出場すること自体が名誉と言われる夢の舞台。世界最高峰のプロツアー「SLS」は世界各国を周って大会が行われ、出場選手は最高峰の栄誉“年間チャンピオン”スーパークラウンを目指して戦う。世界ランキング1位の白井空良(23歳)は「(SLSは)誰もが憧れている舞台」、五輪連覇の堀米雄斗(25歳)は「小さい頃、画面越しで見ていた大会。日本で開催しているのも考えられなかった」と話す。間近で観戦するために会場にはおよそ7000人のファンが詰めかけた。9クラブとは、10点満点で採点されるSLSにおいて超高得点の目安となる9点台を出した選手の与えられる栄誉のこと。SLSは、45秒間で自由に演技をする“ライン”を2回、一発の技で競う“シングルトリック”を5回行い、点数の高い4つのスコアの合計で競う。堀米雄斗(25歳)と世界ランキング1位の白井空良(23歳)の2人は、神業を連発して超ハイレベルな戦いを繰り広げた。堀米は1本目のラインで9.0点を出すと、一方の白井は堀米を上回る9.1点。しかし、堀米は2本目のラインで9.3点を出す。勝負の行方はシングルトリックに委ねられ、1本目で白井は、自身の名前が入った大技“空良グラインド”で9.2点をたたき出し、首位に躍り出る。しかし、堀米も背中から回転してレールがほぼ見えない状態から滑り降りる大技で9.3点をたたき出し、トップが入れ替わる。白井はシングルトリックの5本目の前に1回失敗していたため4位に後退し、後がなくなる。9.0点以上で逆転トップとなる白井の最終5本目、背中側から回ってテールで滑って、最後にまたクルッとボードを回して着地する大技で9.4点をたたき出す。この日の最高得点で堀米を抜き、白井が激闘を制して優勝した。堀米は「予選からみんなバチバチの戦いで、空良も本当に最後、やっぱり決めてきて、自分も逆にちょっと上がった。そんな楽しい大会だった」、優勝した白井は「ずっと自分の夢の舞台だったので、ここで優勝できてうれしい。こういうシチュエーションで決めきれて、五輪前の努力がここにやっとつながった。スーパークラウン(年間王者を決める大会)がブラジルであるので、応援よろしくお願いします」と語った。