奇跡体験!アンビリバボー 実録!地面師たち
事件は2016年、東京・五反田の600坪の土地に内田マイクが目をつけたことから始まった。そこに建っていたのは廃業した旅館。女将は旅館を廃業後も住み続けていた。そこで内田は旅館の隣りにある駐車場を契約し女将の個人情報を入手。その後女将が入院したという噂を聞きつけ、ニセ女将を用意して旅館の土地を勝手に売却する計画を押し進める。ターゲットとなったのは大手ハウスメーカー。地面師グループはハウスメーカーとパイプを持つ不動産業者とともに公証役場を訪れ偽造した印鑑証明書などで公正証書を作成。
2017年、不動産業者の仲介で地面師グループ内の交渉役・小山操がハウスメーカーと直接のやり取りを担当。ハウスメーカーは早急に売買契約の締結を目指す方針が決まり契約を確実にするために大幅に上乗せした手付金を支払うことで話がまとまった。2017年4月20日、契約条件の最終確認を行うためニセ女将とハウスメーカーが初めて顔を合わせた。旅館+駐車場を不動産業者が約60億円で購入し、それをハウスメーカーに約70億円で売却することが決まった。
内田らはニセ女将を女将になりすますため徹底的に訓練していたため司法書士による本人確認はクリア。2017年4月24日、売買契約書を締結するため再び関係者が集まった。70億円のうち12億円が地面師グループ、2億円が不動産業者に渡った。残りの56億円は3ヵ月後に約49億円、建物の解体後に約7億円が支払われることとなっていた。売買契約が締結されたことにより仮登記の手続きが取られた。
手付金が支払われ地面師たちの計画は大きく進んだかに思われたが想像だにしていない出来事が起きた。発端は大手ハウスメーカー宛に届いた一通の手紙。差出人は旅館の女将。長期間入院中で売買契約に立ち会うことなどできる状態にないと記されていた。その後も真の所有者から買い受けない限り所有権を取得することはできないとの内容証明郵便が計4通届けられた。しかし女将が入院している病院名も書かれておらず内容の真偽を確認しようがなかった。脳裏をよぎったのは他社が契約を破棄させるために出した怪文書の可能性だった。そこでハウスメーカー側は女将立ち会いの下、物件の内覧を依頼。