1.5℃の約束 いますぐ動こう、気温上昇を止めるために (1.5℃の約束 いますぐ動こう、気温上昇を止めるために)
近年、南極の氷の減少が懸念されている。去年11月から今年3月にかけ、第64次南極地域観測隊に、テレビ朝日・フジテレビが同行取材した。フジテレビが取材した映像。南極観測船しらせで南極に向かうが、暴風圏では揺れが1週間ほど続く。それを乗り越えた先に、オーロラと南極大陸。フジテレビは、「南極物語」が公開40年ということもあり、ドキュメンタリー撮影のため昭和基地に向かった。テレビ朝日は、新聞協会を代表し、ディレクターとカメラマンが4カ月同行取材した。フジテレビでは科学者たちが心配している棚氷の取材をした。棚氷は、海にせり出した部分。棚氷の下に暖かい海流が流れ込み、海に解けていっていることが近年わかってきた。自律型水中ロボットMONACAを使い、氷の裏側の海中を取材する、世界初の研究が行われた。詳しい分析はこれから。テレビ朝日の取材では、東南極の海沿いに広がるトッテン氷河に出向いた。近年、次に大規模な氷が解けて崩壊するのがトッテン氷河といわれている。現在最も氷が解けているのは西南極。東南極は平均2000mの氷の厚さがあり、簡単には解けないと思われてきたが解けてきている。今回の調査では、3年前から15kmも氷が解けだして後退している。もしトッテン氷河が全て解け出してしまった場合、地球の海面を約4m上昇させる恐れがある。江守さんは、「南極大陸の周囲に浮かぶ海氷が今年例年に比べて極端に少ない。氷の減少により南極の氷床の流れ出しが加速してしまう。気温上昇が2℃に近づくと、南極の氷床は不安定化して流れ出しが止まらない状態に入るかもしれない。海面が上昇すれば日本各地でも影響がでる世界の温室効果ガス排出量は増えているが減り始めていない。現在世界で実施された政策だけでは減らない。1.5℃の目標は現在大ピンチ」という。