2023年9月24日放送 10:05 - 11:00 NHK総合

1.5℃の約束 いますぐ動こう、気温上昇を止めるために

出演者
高瀬耕造 
(オープニング)
オープニングトーク

「1.5℃の約束 -いますぐ動こう、気温上昇を止めるために。」は、去年国連SDGメディア・コンパクトの加盟社が、メディアの垣根を越えて始めたキャンペーン。今年も、150社以上のメディアが参加し、気候危機をどう食い止めたらいいのか、本音で考える。

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1.5℃の約束 -いますぐ動こう、気温上昇を止めるために。SDGメディア・コンパクトTBSテレビアントニオ・グテーレステレビ朝日テレビ東京フジテレビジョン国際連合日本テレビ放送網日本放送協会
オープニング

オープニング映像。

(1.5℃の約束 いますぐ動こう、気温上昇を止めるために)
6局アナ集結 地球沸騰化!?

気候科学者の江守さんに来てもらった。世界平均気温は7月3日に記録を更新してから7日まで更新し続けた。過去12万年で最高と分析。日比は、ハワイのマウイ島の山火事が印象に残っているという。江守さんは、今年が世界的に暑いのはエルニーニョ現象で自然変動の上振れだが、一度火がついたものが燃え広がって消えにくい背景には、地球温暖化による高温と乾燥があるという。国内でも雨が多かった。鈴江は、今年は線状降水帯発生情報が次々発表され、命を守るために逃げるよう切迫感を持って伝えているが、またかという人も多い、伝えていて難しいという。

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エルニーニョ現象ハワイ州(アメリカ)マウイ島顕著な大雨に関する情報
大ピンチ!南極の氷が減少!?

近年、南極の氷の減少が懸念されている。去年11月から今年3月にかけ、第64次南極地域観測隊に、テレビ朝日・フジテレビが同行取材した。フジテレビが取材した映像。南極観測船しらせで南極に向かうが、暴風圏では揺れが1週間ほど続く。それを乗り越えた先に、オーロラと南極大陸。フジテレビは、「南極物語」が公開40年ということもあり、ドキュメンタリー撮影のため昭和基地に向かった。テレビ朝日は、新聞協会を代表し、ディレクターとカメラマンが4カ月同行取材した。フジテレビでは科学者たちが心配している棚氷の取材をした。棚氷は、海にせり出した部分。棚氷の下に暖かい海流が流れ込み、海に解けていっていることが近年わかってきた。自律型水中ロボットMONACAを使い、氷の裏側の海中を取材する、世界初の研究が行われた。詳しい分析はこれから。テレビ朝日の取材では、東南極の海沿いに広がるトッテン氷河に出向いた。近年、次に大規模な氷が解けて崩壊するのがトッテン氷河といわれている。現在最も氷が解けているのは西南極。東南極は平均2000mの氷の厚さがあり、簡単には解けないと思われてきたが解けてきている。今回の調査では、3年前から15kmも氷が解けだして後退している。もしトッテン氷河が全て解け出してしまった場合、地球の海面を約4m上昇させる恐れがある。江守さんは、「南極大陸の周囲に浮かぶ海氷が今年例年に比べて極端に少ない。氷の減少により南極の氷床の流れ出しが加速してしまう。気温上昇が2℃に近づくと、南極の氷床は不安定化して流れ出しが止まらない状態に入るかもしれない。海面が上昇すれば日本各地でも影響がでる世界の温室効果ガス排出量は増えているが減り始めていない。現在世界で実施された政策だけでは減らない。1.5℃の目標は現在大ピンチ」という。

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MONACAしらせテレビ朝日トッテン氷河フジテレビジョン南極物語日本新聞協会昭和基地東京海洋大学第64次南極地域観測隊
人気アナ激白「私の気候危機」

今実感している危機感を自分の言葉で表した「私の気候危機」のコーナー。高瀬アナはフリップに「気候危機は朝ドラ危機である」と書いた。高瀬アナは長年朝ドラを応援してきていて「朝ドラ送り」などというものもやっていたが、災害が起きたときには朝ドラ送りも受けもなければ、本当に大変なときには朝ドラ自体の放送がなくなる事を説明。そのことから朝ドラといのは日本の平和の象徴であるとの考えを示した上で、災害が頻発するようなことがあれば平和な朝を迎えられなくなるとして「朝ドラ危機」と書いたと話した。各局においても朝の情報番組で、災害があれば災害一色となり、役立つ情報などをやっている場合じゃなくなることからも、災害で私たちの平和な暮らしが脅かされるなどと語った。

鈴江アナは「気候危機はお寿司危機」と書いた。鈴江アナは、日本では海水温の上昇が原因で魚介類の水揚げ量が減り続けていて、去年は過去最低となったと説明。2100年には近海の寿司ネタが消滅するかもとし、実際にお寿司屋さんの大将などは仕入先が変わるなど苦労もし始めているという。これについて高瀬アナは「毎年この時期には旬のカツオが、サンマがというのがその通りに行かなくなってきている」とコメント。鈴江アナは各地の名産品やここで食べれるものといったものがすでに変わりつつあるとの危機感を示した。山口アナは魚が住む生息域が変わってきていると話し、海の温暖化は深刻だとした。

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カツオサンマ伊藤進一日本テレビ放送網東京大学海洋研究所

日比アナは「気候危機は教育危機」だと書いた。日々アナは夕方のニュースを担当していて、学校における熱中症での搬送のニュースや速報を伝えることが増えたとし、北海道では小学2年生の児童が体育の授業中外で動いていた所、熱中症で亡くなるという苦しいニュースも伝えたと話した。熱中症警戒アラートが続出している中でなかなか外に出られないことで、未来を担う子どもたちの教育のチャンスを奪っていると危機感を覚えていると日々アナは言う。松丸アナは「今の時代を生きる子どもたちは本当に過酷だと思う」とコメントし、鈴江アナも「甲子園などの大会とかも昔のスケジュールで運ぶのは難しくなってくる」と話した。

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TBSテレビ全国高等学校野球選手権大会北海道熱中症熱中症警戒アラート

松丸アナは「気候危機は夫婦危機」と書いた。松丸アナは今年の夏よく喧嘩したのだと話し始めたが、それは部屋の温度が原因だという。部屋の温度が夫と一致しないためエアコンのリモコンの取り合いになると語った。松丸アナは気候危機のことも考えエネルギーも使いたくないし、風邪も引きたくないから温度を上げたいが、夫は熱中症の危険性を考えて下げたいという主張で、共通しているのは気候危機の影響だが歩み寄れないのだと話す。また夫婦が離婚するとますます地球温暖化に悪影響を及ぼすのかという話を松丸アナが聞いたことがあると言うと、江守さんは「そういう論文が出ている。世帯数が増えるので、別々にエアコンつけてお風呂を沸かして料理をしてと、CO2排出料は増える」のだとした。これを受けて松丸アナは「ちょっと夫に歩み寄りたいと思う」と締めくくった。

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テレビ東京熱中症

山口アナは「気候危機は日本の危機」と記した。山口アナは「みなさんが今一番苦労されているのは電気代」だとし、その背景に日本では化石燃料に電気構成の70%以上頼っており、その殆どが輸入であるから円安の影響もあり値上がりしていて、去年1年間でその費用は33兆円にものぼるのだと説明した。これは日本の消費税の税収を上回っていて、そのくらいの富が日本から逃げて行っているのだと伝えた。山口アナはこれを危機でもあるがチャンスでもあると言うが、これは再生可能エネルギーのポテンシャルがあり、まだまだ使われていないからだという。地域の方が主体となって取り組めばそこからエネルギーが生まれ、雇用が生まれ、お金が生まれ、地域が元気になるのだと述べ、気候危機対策こそが新しい成長分野となるとも話した。

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テレビ朝日資源エネルギー庁

安宅アナは「気候危機はEarthの危機」だと書いた。安宅アナは今年宇宙飛行士選抜試験を受けていて、アルテミス計画で月に降り立つかもしれない日本人を決める最終選考の10人としていろんな試験に取り組んだことを語った。そこで月面を模したフィールドに降り立った際、もし仮に月に降り立ち、地球に戻る時に何を思うかと考えた時に心に浮かんできたのは地球への感謝だという。決して我々が住んでいる地球というのは当たり前ではなく、奇跡が積み重なって今の姿があるということを忘れてはいけないのだと話した。江守さんがこれまでで一番しっくり来たのは「教育機器」だとした。最近の小中学校はエアコンがほぼ義務化されているが、学校の断熱が悪いため冷房が効かず、勉強に集中できないという問題が出ているのだと話した。学校の断熱改修を求める署名運動も広がっているのだという。

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アルテミス計画フジテレビジョン
気候変動 メディアの伝え方は?

この夏の猛暑など、極端な気象に温暖化はどれくらい影響しているのか。メディアが気候変動を伝える際に役立つ画期的な研究がいま進められている。「イベント・アトリビューション」というもので、スーパーコンピューターを使って人間活動による地球温暖化が起こらなかった架空の地球と、実際に温暖化が起こっている現実の地球を作る。さまざまな気象データを流し込み、徹底的に両者を比較。熱波など、極端な気象が発生する確立を割り出す。温暖化の影響が実際にどれくらいあったのか。「イベント・アトリビューション」によって数値化できるようになったという。以前は分析に長い時間がかかっていたが、スーパーコンピューターの性能向上もあり、現在では災害からあまり時間を置くことなく発表されるケースも増えてきた。

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イベントアトリビューション東京大学東京大学大気海洋研究所

8月末に行われた気象庁の異常気象分析検討会でも、イベント・アトリビューションの成果が発表された。最新の研究で、日本の7月後半からの熱波は温暖化がなければ起こり得ない事例だということがわかった。また、7月上旬の九州北部の大雨も温暖化によって総雨量が16%増えていることがわかった。イベント・アトリビューション研究は世界的に注目されている。今年5月から7月に起きたカナダ東部の大規模な山火事は。国境から500キロ以上離れたニューヨークまで流れ込み、マンハッタンがオレンジ色に染まった。欧米では、異常気象を伝える際に気候変動について伝える報道が増え、今では2割近くに上っている。しかし、日本ではまだ3.3%しかない。科学者たちのグループでは、どういう点について報道すべきか、ジャーナリスト向けのガイドブックも作った。異常気象と気候変動の関係をつねに意識し、最新の研究を積極的に活用する。そのことで、温暖化の原因となるCO2を今すぐ減らすことの重要性にもっと多くの人に気づいてほしいという科学者たちの願いが込められている。

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インペリアル・カレッジ・ロンドンカナダマンハッタン(アメリカ)ワールド・ウェザー・アトリビューション中村尚気象庁産業革命異常気象分析検討会

気候変動のメディアの伝え方について、気象科学者の江守さんは、「分析するまでもなく気温が上昇していて、極端な熱波が起きやすくなっている。気温が上がれば水蒸気も増えて極端な大雨も起きやすくなる。自信をもってそういった関連性を伝えてほしい」と話した。高瀬アナウンサーは「災害が起きたとき、目の前の危機に対して命を守るための報道をしている。災害の背景に気候変動があるということまでは伝えにくかった。ただ、時間を開けて災害を振り返るとき、もう少しそうした視点を放送の中でも出していけたらいい」と話した。山口アナウンサーも「災害との科学的な因果関係を伝えていくことによって、視聴者も気候変動が影響しているということを自分ごとにできる。イベント・アトリビューションは報道機関こそが興味を持って伝えていくのが大事」と伝えた。

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イベントアトリビューション
YouTuber中田敦彦”テレビ”に直言!

ユーチューバーとして活躍する中田敦彦さん。気候変動をテーマにした動画を数多く発信している。中田さんは、現在シンガポールで暮らしている。気象変動やサステナビリティをテーマに取り上げた理由について、中田さんは「善意というよりはメガトレンドの一環として捉えている。人間は正義では動かない。ほとんどの人が自分の生活で手いっぱい。その手一杯な生活を少しでも改善するのに、今回の視点は役に立つのかどうかを結びつけて話したい。あくまで生活導線の中に置くのが重要」「実利実損で聞いてもらうようにしている」とのこと。中田さんは、実際の被害額をストレートに伝えるなど、ユーチューバーとして独自の工夫を凝らしている。メディアへのメッセージとして、中田さんは「テレビのストロングポイントはYouTubeと比べてどこなのかというと、組織力と信頼度だと思う」とし、「その人が本当のことをしゃべる人か、そうじゃないかという信頼はその日一日で決まることではない。NHKは本当のことを報道してくれていたのか、このキャスターは本当の言葉でしゃべっていたのか、そういったものが信頼感につながる。どのメディアも一部の人にしか届けられない時代だからこそ、メディアごとに連携して届く視聴者に深く刺して『これは自分ごとなんだ』という人を増やせれば、そうした人たちが増加していくと社会の空気がガラッと変わる」と話した。

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YouTuber中田敦彦”テレビ”に直言!/アナの”悩み”気候変動をどう伝える?

メディアでの気候変動の伝え方についてトーク。安宅アナは中田さんの意見について「被害額などをストレートに伝えることなども大事だが、大事なのは愛であり、人との結びつきが地球を救うラストピースになるのではないか。」などとコメント。山口アナは「若い世代ほど愛を大事にしていく傾向があり、世の中を変える要素になる。」などとコメント。高瀬アナは中田さんの実利実損などの言葉について「この番組も関心がある人しか見ていない。関心を持っていない人には違ったアプローチが必要。」などとコメント。日比アナは「そもそもテレビ局自体が地球に優しいのかという疑問があるのではないか。」などとコメント。鈴江アナは「そもそも気候変動のアクションに対して後ろめたさがある。」などとコメント。松丸アナは「完璧じゃなくてもいいから声を挙げる事が大事との学生の言葉に励まされた。」などとコメントした。

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中田敦彦原有穂
メディアへの提言!若者の声

今年8月に高校生から30代までの若者世代が勉強会である気候若者会議を開催した。若者の声をもっと気候変動対策に反映させたいという思いから10月まで7回に渡り専門家から現状と解決策を学び意見交換をする。世界では若者が気候変動差対策について声を上げているが日本では広がっていない。その課題について5人の若者らが話し合い、日常生活や気候変動と生物多様性がどう繋がっているのか全然周知されていない等の意見交換がされた。

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千代田区(東京)第27回気候変動枠組条約締約国会議

山口豊は自分の子供の世代たちが頑張っていると思うと他人事に思えず、1兆円市場になると予想されているペロブスカイト太陽電池等のポジティブな新しいものを伝えることによって気候変動も解決できる等と話した。

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ペロブスカイト太陽電池
私が実践する”解決策”/ファッションからの”解決策”

若い世代に身近なブランドを展開するメーカーでは春から洋服に様々なタグをつけ、リサイクル素材を使って作られた洋服である表示をしている。タグにはリサイクル・オーガニック・天然素材等をタグに表示することでさり気なく伝えていきたいとしている。日比麻音子はファッションの中にサステナブルという要素がおしゃれという感覚でオシャレのセンスが1つ増えると楽しくなる等と話した。

海から始める”解決策”

横浜市の海の公園ではアマモと呼ばれる海藻の種を収穫する取り組みがされている。アマモは水深の浅い砂浜などの全国各地で見られ、身近で出来るカーボンニュートラルとして注目されていると紹介。二酸化炭素は海水などに溶け込み、海藻は光合成でそれらを取り込み酸素を放出、溜め込んだ炭素は海のあおさにちなみブルーカーボンと呼ばれている。アマモ等による二酸化炭素の吸収量をクレジットとして売買する取り組みも始まっており、採取したアマモは成熟させて秋に海に戻される。

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うみスケそらジローアマモ横浜市(神奈川)海の公園海辺つくり研究会
タブレットで挑戦!ペーパーレス

TBSの報道番組「Nスタ」では去年5月から原稿や進行表をタブレットに落とし込んでいて、ペーパーレス化を行っている。タブレットはNスタ意外にもnews23やひるおびでも使用していて、実施前は1日5580枚使用していた紙の使用数を2330枚まで削減した。修正した原稿は全てのタブレットに即座に反映され、修正も離れた場所から遠隔で行うことが出来る。

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news23NスタTBSテレビひるおび!安住紳一郎
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