大戦末期に開発も実戦配備されず “幻の戦闘機” 目撃者の思い

2024年10月7日放送 4:16 - 4:23 TBS
TBS NEWS (ニュース)

飯塚市で仲間に囲まれ合唱の練習をしている小出和典さん96歳。79年前、同じ中学校の仲間と汗を流した場所は軍用機の工場だった。小出さんが働いていた「九州飛行機」。現在の南福岡駅周辺・福岡市博多区と春日市の一帯でさまざまな軍用機を製造していた。小出さんはジュラルミンの板を張り付けて「零式水上偵察機」という飛行機の胴体を作る作業を担当していた。小出さんは、ある時監視の目をくぐり抜けて板で覆われた工場内の一角を見に行く。小出さんが目撃した飛行機の実物大模型が、おととしから筑前町の大刀洗平和記念館に展示されている。局地戦闘機「震電」。胴体後部にプロペラがある特異な形が特徴で、米国軍の爆撃機B−29の迎撃用として大戦末期に開発された。大刀洗平和記念館は震電を製造した九州飛行機に関する展示も行っている。「九州飛行機」の流れをくむのが福岡市博多区の「渡辺鉄工」。技術顧問を務める岡田正弘さんは、10歳の時に「震電」の試験飛行を目撃していた。渡辺鉄工では戦時中の建物の一部が今も使われていますが、終戦直後にほとんどの資料が処分されたため詳細は伝わっていない。資料が限られる中で重要な戦争について証言できる人は減り続けている。


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