大手拓次のスケッチブック 2冊

2026年1月6日放送 21:37 - 21:48 テレビ東京
開運!なんでも鑑定団 (開運!なんでも鑑定団)

群馬県高崎市のカラオケ店。気持ちよさそうに歌っているのは依頼人・安居克明さん(73歳)。周りで盛り上げているのは高校時代からの友人2人。お宝は知る人ぞ知る詩人にまつわるもの。3年前、蔵の中を整備していた時、ガラクタの山の中から2冊のスケッチブックが。表紙には作者の名前が書かれており、大伯父にあたる方の名前だった。改めて調べたところ、熱狂的なファンがいると知った。大手拓次は萩原朔太郎・室生犀星と共に北原白秋旗下の三羽烏と称されながらも生前1冊の詩集も出せずに散った不運の詩人。1887年、群馬県磯部温泉の旅館「鳳来館」に生まれ、早稲田大学文学部英文学科に進学したが、熱中したのはフランスの象徴詩であった。象徴詩とは暗示的な語句を用いて直接的には掴みにくい内容を表現しようとする詩のこと。卒業後は就職せず詩作に没頭。25歳の時、北原白秋が主催する文芸誌「朱欒」に一変の象徴詩を発表する。言葉のリズム感、安易的な語彙、何より独創性から白秋は驚異的詩才と絶賛した。また、この詩は話し言葉で定型にとらわれない口語自由詩である。口語自由詩は萩原朔太郎が確立したとされるが、「自分より一日の長がある」と言わしめた。29歳、小林富次郎商店(現在のライオン株式会社)に広告文案係として入社。今で言うコピーライターである。拓次にとっては才能を活かすことができる良い職場であった。また、広告を作るため社内の香料調合研究室に通ううち、花々の香りに興味を持つようになり、特に薔薇をテーマにした詩を書いた。拓次は詩集を出すことを夢見て白秋に原稿を託したが、結核を患い46歳で他界。初の詩集「藍色の蟇」が出版されたのは悲運の死から2年後のこと。白秋は26ページにも及ぶ序文を寄せた。こうして世に出た拓次の詩は神秘的で不思議な魅力に満ち、今なお新たなファンを獲得し続けている。依頼品は大手拓次のスケッチブック2冊。1冊は詩画集「蛇の花嫁」挿画原本。「蛇の花嫁」は死後に出版された2冊目の詩集。もう1冊は表紙に「自筆スケッチ」とある。


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