日本怪奇ルポルタージュ 日本怪奇ルポルタージュ
大阪に親子がやってきて1週間、母親は変わらず子どもたちを部屋に残して仕事に出ていた。ここから生活は破綻に向かう。母親は仕事後次第にホストクラブへ、帰宅は朝になることも増えた。異常な生活ではあったがそれは誰にも知られることはなかった。このあと母親は仕事後も子どもたちに食べ物を置いて家を出ることが増え、ホストクラブの男性と付き合うようになった。母親は自分の父に生活は問題ない、4月には地元・三重県に戻り昼の仕事をすると約束。しかしこの頃には恋人との生活を優先し、子どもを放置することが増えた。部屋の中では子どもが親を呼ぶ声が聞こえたという。事件発覚の4ヶ月前、近隣住人が児童相談所に通報。職員が訪問するも部屋からは誰もいる気配がなかったという。さらにこの頃SNSでキラキラした生活を投稿していた。なぜ近隣住人が通報したにも関わらず、子どもたちを救うことは出来なかったのか。取材をしたライターの杉山さんは大阪に来るまで何度も転居しており、住民票を移していなかった。結果、住民登録は故郷三重県にあり公的なサービスを受けることができなかった。
事件発覚の4カ月前、母親は逃避するように様々な男性に依存。別の男性宅に入り浸るようになったという。取材した杉山さんは誰も頼れないという状況から自分を肯定する場所に向かうしかなかったという。娘の誕生日を迎え、母親は恋人であるホストの家で誕生日を祝うなどし、SNSでは現実から逃避する投稿を繰り返した。