クローズアップ現代 #5018 密着・東京“赤ちゃんポスト”~母子への支援どうすれば?~
東京・墨田区の賛育会病院に密着。この日、赤ちゃんポスト開始を前に受け入れの訓練が行われていた。母親などが赤ちゃんを預ける場所は病院の通用口の先。専用部屋にはカゴが置かれ、周囲の人に知られず赤ちゃんを預けることができる。病院はこの取り組みを“ベビーバスケット”と呼んでいる。ベビーバスケットが始まった4月、赤ちゃんが預けられたことを知らせるアラームが鳴り響いた。残されていたのは、裸でタオルにくるまれた赤ちゃん。預けに来た女性の姿はすでになかった。赤ちゃんすぐに保育機の中へ。赤ちゃんの傍らには自宅で産んだという女性からの手紙が残されていた。「お金がなく、子どもを育てることができません。身勝手で申し訳ありませんが、この子にはどうか生きてほしい」と書かれていたという。賛育会病院の賀藤院長は、さまざまな事情を抱え、妊娠・出産で悩む女性たちの姿を目の当たりにしてきた。この病院での去年の分娩数は743件。そのうち、困難を抱えた特定妊婦は10%いたという。
東京・墨田区の賛育会病院に密着。この日、自宅で産んだ赤ちゃんを預けたいという女性が病院を訪ねてきた。産まれてから20時間ほどの赤ちゃん。健康状態に問題はなかった。女性は産後の貧血などがあり、そのまま入院することになった。 一度は赤ちゃんを預け入れようとした女性。次第に気持ちに変化が生まれていた。両親に出産したことを伝え、児童相談所の支援を受けながら赤ちゃんを育てていくことを決めた。