THE TIME’ TIMEレポート
福岡県糸島市の建設会社「へいせい」が建てたモデルハウスにベトナム人の男性2人が訪れた。部屋の間取りから柱の材質まで、くまなくチェックする。ズイタン大学・建築学部・ホアンハー教授は「日本の技術が非常に高いのは世界でも有名なのですが、やはり家はそれを全部表現できるというところに非常に感動しています」と話す。へいせい建築部・濱里芳文部長は「ベトナムのズイタン大学様の方からフー副学長とハー教授に来ていただいて、日本の『へいせい』がどういう風な仕事をしているか、どういう風な業態なのかというのを説明している」と話す。ズイタン大学は社会主義国であるベトナムに初めて設立された私立大学。去年9月建設業について学ぶ「スキルアップラボ」という研究室を建設会社と大学とで設立。日本に大学からインターン生を受け入れることが狙い。濱里部長は「募集をかけてもなかなか若い方が応募に来てくれない。弊社の方でも高齢化がどんどん進んでいるのでそれをいかにして食い止めるかというところが今の課題になっております」と話した。団塊の世代が全員75歳以上となり、高齢化が進むことで様々な問題が生じると言われている「2025年問題」。総務省の労働力調査によると建設業の就業者で55歳以上の割合は年々増え続け、おととし約37%に。その一方で、29歳以下は約12%にとどまっていた。こうした中「へいせい」は8年前から外国人労働者を積極的に受け入れてきた。現在建設現場には外国人のスタッフ20人が働いている。福岡市南区の建設現場で、監督の役割を担うベトナム人のジエックカインフイ所長補は「自分は専門とか日本語を高めて両国を発展支援したいと考えて、実現をするもっとも早い方法は日本に住んで働くこと」と話す。足りないのは建設現場で働く人だけではない。建物の設計やCGを作成する人も不足しているため、人材の育成と確保を目指して作られたのがベトナムの大学の研究室。学生たちは日本の建築様式やシステムを学び、その中で選抜された1人がインターン生として1年間日本にやって来る。今年選ばれたヒエンさんを紹介。へいせい本社ではスキルアップラボで学んだ1期目のインターン生が働いている。ズイタン大学インターン生・チャンティエンサンさんは「日本人の働き方勉強したいです。例えば職場での時間厳守、挨拶の文化です。私は日本の文化が好きです」と話す。サンさんが作るCGは精度も高く広告にも使っている。へいせいGHD広報主任・永翁慎介さんは「彼はまだ大学生なので1回ズイタン大学のスキルラボに戻って、学んだ日本の建設ソフトをスキルラボの生徒に教えてもらう予定」、「めちゃくちゃ戻ってきてほしい」と話す。職人の高齢化が進み人材の確保が難しくなる中、注目される海外の大学との連携。こうした取り組みを広げていこうと考えている。へいせい建築部・濱里芳文部長は「これをどんどんいろんなゼネコンさん、他の会社の方に広めていってベトナムと日本という大きなくくりで今後大きな協力が出来るかなと思っています」と話す。