新宿 歌舞伎町ビル火災

2026年2月28日放送 22:03 - 22:49 NHK総合
未解決事件 File.13 新宿歌舞伎町ビル火災

2001年9月1日の深夜、歌舞伎町の雑居ビルで火災が起き、新宿消防署の特別救助隊が出動した。火元の3階にはマージャンゲーム店があり、多くの人が取り残されているという通報内容だった。当時、隊長だった菊池眞紀夫氏は自分自身に放水し、体を冷やしながら階段を上がっていった。店内の厨房には排煙口があり、逃げ場を求めて多くの人々が集まっていた。4階は飲食店で、窓は内装、広告で覆われていた。菊池氏は「全然、燃えていないんです。普通の状態で人がバタバタ倒れていて、一酸化炭素中毒でしょうね」と回顧した。この火災で44人が犠牲となった。加藤君江さんはシステムエンジニアとして働いていた息子を喪った。この冬、しまい込んできた遺品を整理した。
警察と消防は火災直後から原因究明を開始し、「放火の可能性が高い」と結論付けられた。DNA、指紋といった証拠は火によって焼失。防犯カメラの映像も不鮮明。捜査が暗礁に乗り上げるなか、現場となったビルは取り壊された。2人の娘を喪った植田安子さんは「何で、あんなところで仕事をしていた」と心無い言葉を浴びせられた。だが、常連客だったという男性から愛子さんの携帯に電話がかかってきて、「悩み、愚痴をこぼすのを黙って聞いてくれた」と感謝を示されたという。この25年、遺族はどのような想いで生活してきたのか。今回、32人が連絡に応じた。
ビルには防火扉が設置されていたが、備品やゴミが置かれていたことで火災時に扉が閉まらなかった。正常に閉まっていれば、火災から30分が経過しても有毒ガスは死に至るレベルには達していなかったという。火災後、ビルの所有者、店舗経営者ら6人が業務上過失致死で逮捕・起訴された。裁判の末、6人のうち5人に執行猶予付きの有罪判決が言い渡された。2002年、消防法が改正。安全管理の基準、消防の査察体制が強化された。新宿消防署は歌舞伎町を専門とする部署を新設した。だが、東京消防庁管内では防火管理違反が年間で3万件近くにのぼるという。同庁を定年退職した菊池眞紀夫氏は大手百貨店に勤務するなか、防火扉が正常に閉まるか訓練で欠かさずにチェックしている。加藤さんは真也さんの月命日に墓参を欠かさない。火災時、身につけていた腕時計は今も止まらず、真也さんの心音だと思って、動かし続けたいという。


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