ニュースウオッチ9 (ニュース)
歳出は、与党と日本維新の会が合意した教育無償化を巡って、公立高校の実質的な無償化などに必要となる1064億円を積み増したほか、立憲民主党と協議していた高額療養費制度は、当初の政府案の一部修正に伴い、55億円の積み増しとなった。歳入については、与党と国民民主党が協議を続けてきた年収の壁の見直しで、税収が6210億円減る。最終的に、税外収入の活用などを通じて調整を行い、歳入全体の減少幅は3400億円余となった。これまでとは大きく様変わりしたといえる。少数与党の石破首相としては、熟議の国会と銘打ってきたが、野党と個別に政策協議も行った。いわば譲歩もしながら、予算案の修正に至った。与野党双方からは、これが本来の国会の姿かもしれないという声も聞かれる。ただこの結果だけを見ると、歳入は減り、歳出は増えた形で、当初予算案全体としては115兆円を超えて過去最大。今後の石破政権について。綱渡りの政権運営は続くことになる。石破首相としては、まず予算案の衆議院通過で第1関門を突破したが、今後も関門が待ち構えている。1つは予算案の年度内成立。参議院は与党が多数を占めているが、新年度に間に合うよう、3月いっぱいの成立に全力を挙げることになる。3月末までには、政治とカネの問題に端を発した企業団体献金の扱いについて、結論を出す必要がある。賛否両論ある選択的夫婦別姓制度の議論なども活発になる見通し。夏の参議院選挙もにらんで、野党との攻防が続くことになる。