サンデーモーニング (ニュース)
韓国の新大統領・李氏は1963年生まれで7人兄弟の5番目。家計を支えるため小学校を卒業後、年齢を偽り工場で勤務するも日常的な暴力を受ける環境で機械に左腕を挟まれいまも障害が残っている。独学で検定試験を受け大学に進学し弁護士となった。政治家に転身後、付けられたあだ名は「サイダー」。知事時代に地域通貨を支給や舌鋒の鋭さなどが見ていてスカッとすると付けられた。2022年の大統領選では尹前大統領に僅差で敗北。今回のその雪辱を果たした形となった。韓国は民主化運動をルーツとする左派の革新と軍事政権をルーツとする右派の保守が対立。尹前大統領は徴用工問題で日本に譲歩する協調路線。李大統領は「対日屈辱外交」だと批判する強硬路線。北朝鮮を巡っては李大統領は「対話路線」、尹前大統領は「強硬路線」。女性政策では尹前大統領は女性家族省を廃止することを訴えるも李大統領は拡充を主張。「保守と革新の分断が深刻である」と答えた人は92.3%に上っている。大統領選の出口調査(29歳以下)を紹介。ネット上の「政治テスト」では58.2%が「政治的に考えが違う人とは恋愛、結婚できない」と答えている。寺島実郎は「非常戒厳ということに対する国民の反発が結果を生んだ」、松原耕二は「独裁的な政策をできる状態である、あえて融和的な政策を取る必要があるのか懐疑的」と述べた。
李在明政権下で韓国はどうなっていくかについて寺島さんは、そもそも今回非常戒厳に対する国民の反発が結果を生んだという。いわゆる保守勢力の国民の力で集まってた人たちをよく見ると星条旗を持っていたという。アメリカに対する失望というのも今回の選挙の結果に大きく反映してきているという。日本の立ち位置が重要になっており、東アジア3か国の政治経済力学について、1人あたりGDPで日本は韓国に抜かれ台湾に並ばれている。日韓台の経済豊かさはほぼ並んだということをまず日本人は認識し、米中対立に分断されてはならないという。東アジアに対立の軸を持ち込まないという知恵が日本の外交や安全保障に問われてくるということを認識しておかないといけないという。松原さんは、韓国の大統領はもともと強大な権力を持っているうえに李在明氏は議会も抑えており、党内もライバルの排除をし終えているので、独裁的な政策をできる状況にあるという。保守側も、極右が保守の真ん中に来るという政党になっているので、左右の対立は深まりこそすれ解消するのは難しい等と述べた。