- 出演者
- 梅津弥英子 橋下徹 松山俊行 徳田聡一朗 岸田文雄
オープニング映像。
先日、都内で行われた会談。麻生最高顧問、茂木前幹事長、岸田前首相、「三頭政治」とも呼ばれた3人が再び顔を揃えた。フジテレビ政治局長の松山俊行は「岸田政権ではこの3派で安定していた運営を担っていたが、今の石破政権は少数与党で不安定。その後の政局を見据えて安定した三頭政治を見直そうという動きだ」とコメント。岸田前総理「幅広く意見交換をした」とコメント。橋元弁護士は「解散の話も聞きたい」とコメント。
備蓄米が出ても価格が下がらないコメ問題。喜びの声を揚げたのは2021年産の古古古米を手にした人たち。5日、大手コンビニで1kg300円台で販売され1時間ほどで完売する店舗もあった。スーパーでの平均価格は5kgあたり4260円。 小泉農水大臣は「ある卸は利益が500%だという話をした。ブラックボックスをどういうふうに解明していくか」とコメント。ブラックボックスとは?番組が取材すると卸売業者で融通しなきゃいけない事情があるという声が聞かれた。
ブラックボックスとも指摘されたコメの流通の仕組み。卸売業者で融通しきゃいけない事情がある、大手の卸から直接コメが買えない卸は3つか4つ経由してでもコメを手に入れているとの声も。小売業者に届くまでの間に複数の卸売業者が介在しその度にコストが積み上がる構造が価格高騰の一因とみられている。コメ不足を深刻化させる出来事。猛暑による不作と、インバウンド需要が重なり在庫が低水準に。去年8月、南海トラフ地震臨時情報が発表され買いだめが加速した。大阪府の吉村洋文知事が「政府の備蓄米の解放要望を農水省にした」という過去のコメント。政府は新米の流通時期や価格への影響を考慮し放出を見合わせた。しかし新米が流通してもコメ不足は解消せず、価格は2倍になった。価格が高騰した際に総理の座にいたのが岸田文雄氏。当時首相の岸田文雄は「消費者の立場に立ってコメの流通不足の懸念に対処し引き続き市場を注視し円滑な流通に取り組んでください」と去年8月に発言。舵取りが難しいコメ政策。自民党内でも次なる一手で割れている。小泉農水相は「緊急輸入こういったことも含めてあらゆる選択肢を私はもって向かいたい」とコメント。自民党の森山裕幹事長は「主食であるコメを外国に頼ってはいけない」とコメント。岸田前総理はいまの政府の対応をどうみているのか。
高騰し続けるコメの価格だが、岸田政権が始まった当初、1800円前後で推移していた。2023年の9月に、スーパーのコメ価格は5kgあたり1887円だったのが徐々に上がり始め、最終的には3318円。おととし9月から約1.8倍になった。石破政権になっても高騰が続き、最新の値段は4260円。前内閣総理大臣の岸田文雄(自民党)は、大臣の政治判断によって随意契約による販売を決定し、発表から5日後には販売が開始されたことを指摘。こうした対応自体は国民の気持ちに寄り添ったもので、一定の評価ができるとした。よりスピード感を持って対応しなければならない一方、このような価格の推移を辿った原因を検証することも並行して合わせてやっておかないと価格対応だけでは今後の見通しは立たないとの考えを示した。
岸田政権のときからコメの値段はかなり高くなってきていた。当時は備蓄米の放出には至らなかった。当時の坂本農水大臣は「決断に誤りはなかった」と退任挨拶で言っていた。9月になったら新米が入ってくるから値段がこなれてくるという見方も示されていた。それが誤りだったのではないかという指摘が小泉農水大臣から出ている。岸田前総理は、備蓄米に対する対応も1つの要素ではあるが、坂本大臣は新米の動向等も踏まえての判断だったと思うと指摘。ただ、その後も価格が変動し大きな問題になっているので、経緯をしっかり検証していくことが大事だと述べた。小泉農水大臣による「需要あれば備蓄米を無制限で出す」とのメッセージの発信の仕方については、適切との判断を示した。小泉大臣は外国産米の輸入を示唆する発言もしており、自民党の森山幹事長は「外国に頼ってはいけない」と発言。岸田前総理は、検証を行った上で関係者の理解を得ながら進めていかなければならないとの考えを示した。
橋下徹弁護士は、今までやってきた自民党のコメ政策が本当に国の安全保障に資するのか質問した。農家の高齢化や零細農家が増えてきたことを踏まえると、コメは自国で作らなければ食料安全保障を害するというが、すでに害している状況ではないかと指摘。岸田前総理は、食料・農業・農村基本法の改正に関連して大きな議論を行った際、食料安全保障の議論も行ったことを説明。どうして急激に米価が上がったのかを国民に説明できるような検証をやることが大事だとの考えを示した。橋下は、自民党の今までの政策で守りすぎるところもあったのではないかと指摘。岸田前総理は「そういった指摘があるのは謙虚に受け止めなければならないと思う」とコメント。
コメ流通における卸売大手のマージン構造に踏み込むとしているのが小泉大臣。実際に営業利益が4.8倍に及ぶ業者もある。岸田前総理は「だからこそ検証をして実態を明らかにしていかないと、国民にとって納得のいく判断に繋がらない」などとコメント。橋下徹弁護士は、閉じた業界というのはブラックボックスになるので開いていくべきと主張。森山幹事長はじめ外国産に頼ると国の安全保障を害するというが、アメリカのコメを輸入したことで何が安全保障を害することになるのかと質問。岸田前総理はコメは国民感情に触れる微妙な問題でもあると答えた。政策を変える、進めることになったなら、説得力のある説明をしなければならないと主張した。コメの適正価格については、国民が判断していくものなので具体的な数字を言うべきではないとした。
岸田は総理退任後も石破総理に対して政策の提言を行っている。特に力を入れているのがプラチナNISA。新NISAは、岸田政権時に「貯蓄から投資へ」というスローガンのもと去年1月から始められた。政府は2027年末に3400万口座、総買付額56兆円を目標としていた。今年3月末の時点で口座数は2647万口座、総買付額は59兆円。新NISAで人気の投資信託のランキングを見てみると、1位は全世界株式(オール・カントリー)、2位は米国株式(S&P500)、3位は楽天・プラス・S&P500インデックス・ファンド。これらの上位銘柄は海外の株式ばかりで、国内株式では12位が最上位となっている。海外への投資が円安の要因の1つだと指摘されている。もう1つの問題が家計金融資産。去年12月末時点でおよそ2230兆円あり、多くを高齢者が保有している。2019年のデータでは60代が26.5%、70代以上が37.0%。資産の中身を見ると、65歳から69歳の62.5%が預貯金で持っているが、高齢になればなるほど預貯金の割合が高くなる。一方、新NISAでの口座数の割合を見ると現役世代が67.9%を占めている。そこで高齢者層に貯蓄から投資へ促すために、プラチナNISA創設が検討されている。利用対象は65歳以上、投資対象には、新NISAでは認められていない毎月分配型投資信託が認められるようになる見込み。毎月分配型投資信託は、毎月決まった金額の分配金を受け取れる投資信託。毎月分配金と年金を生活費に充てられる。分配金が非課税のため手取りが増えるメリットもある。前内閣総理大臣の岸田文雄(自民党)は、新NISAの枠組みでスタートすると説明。
プラチナNISA(毎月分配型投資信託)で利益が出ていなくても分配金は支払われる。しかし、元本の一部が取り崩されて分配金が支払われる可能性がある。政府の検討会では、シブサワ・アンド・カンパニーの渋澤健代表取締役が「タコ足配当が問題視されている商品を国民に推進することになる」と強く反対した。プラチナNISAを65歳以降に利用したいと答えた人は38.9%。内訳は60代以上が48.5%で、利用に前向き。岸田前総理は「今の説明は誤解を招く」などとコメントした。毎月分配型投資信託を使うと決まったものではないと指摘。新NISAは幅広い収入層に利用されている中で、幅広い年齢層に利用してもらうためには工夫がいる。高齢者は運用すると同時に取り崩すニーズが高い。様々な企業が用意する商品から自分のニーズにあった商品を選択できる制度にしようということだと説明。橋下徹弁護士は「ある年齢になれば元本取り崩しが必要だと思う」などとコメントした。岸田前総理は、新NISAがスタートして日本人の投資に対する意識が変わったと指摘。J-FLECを立ち上げ、金融リテラシー、意識改革に務めてきたという。若い人には長期、積立、分散で投資を積み上げてもらうのが大事だと主張。岸田前総理は教育資金確保を主な目的とした「こども支援NISA」を提言している。高齢者が持っている資産を活用し、若い人たちが蓄えを持って企業、海外進出できるようにする意味から重要だという。
一定の資産を持つ高齢者には追い風になる一方で貯蓄ゼロの世帯も増えている。出生数も去年過去最少。異次元の少子化対策を打ち出してきた岸田前総理は、「こども支援NISA」には少子化対策の効果もあると思うとの考えを示した。新NISAは2650万口座に膨れ上がっていて、3分の2は年収500万未満の方が活用している。お金がないから新NISAを活用する余裕はないという批判の声もあったが、現実は賃上げを補い手取りを増やす形で活用していると指摘。橋下徹弁護士は少子化対策に関して、細かな給付金などを削ってでも教育支援に当て込むべきと主張。岸田前総理は「そういった考え方は大事だと思う」と述べた。児童手当の拡充も昨年10月から始まり、今年度から「こども誰でも通園制度」や育児休業制度の拡充がスタートした。経済的な支援等も動き出している。こうした制度を活用するためにも社会の意識改革が大事だと主張。
2023年3月、銀座で歓談する当時の岸田総理と尹大統領の写真が、両国の関係改善を象徴する一枚として話題となった。今月4日、韓国では新たに革新系の李在明大統領が就任。2023年に尹前大統領への抗議として断行したハンガーストライキで、病院に搬送された人物だ。対日融和に向かう前政権とは対照的に、これまで強硬な姿勢を貫いてきた。しかし大統領選では一転、「日本は重要なパートナー」と述べ、現実路線への転換をにじませている。いわゆる徴用工や慰安婦の問題については、前政権の解決策を事実上維持する姿勢も見せた。最良とも言われた日韓関係はこの先維持されるのか。
視聴者に質問、「李在明大統領就任で日韓関係はどうなると思う?」。選択肢:青「良くなる」、赤「悪くなる」、緑「どちらとも言えない」。
対日強硬派と見られている李在明大統領だが、就任演説で「国家間の関係は政策の一貫性が重要だ」という発言をしている。日韓の歴史問題をめぐっては革新系の政権になるたびに緊張が高まるという状況が続いてきた。革新系の李在明大統領は文在寅政権と同様に、歴史問題を再燃させる可能性があるのか。岸田前総理は李大統領の就任演説での発言について「注目すべきだと思う」などとコメントした。大統領室の国家安全保障室長は外務省出身のバランスの取れた方だと思うが、外交部長官、国防部長官の人事がどうなるかや具体的な政策についてはこれから注視していかなければならないとの考えを示した。前の政権と違うことをやろうとして歴史問題が再浮上してくるのではないかという指摘もある。岸田前総理は、尹政権の2年間で日韓関係が良好になるとどんなメリットがあるか、両国の国民が実感したと指摘。時間が経つにつれて実感する層が増えていくと思うので、国民の意識や世論の変化には期待したいと述べた。
橋下徹弁護士は、いわゆる徴用工でも慰安婦でも強制性はなかったという日本の主張を尹前大統領に認めてもらったと指摘。当時、岸田前総理が「当時厳しい環境のもとで多数の方々が苦しい、悲しい思いをされたことに心が痛む思いだ」と述べた。岸田前総理と尹前大統領で作った着地点で、日韓の歴史問題の解決を図ってもらいたいとの考えを示した。岸田前総理は「考えに考え抜いた末での発言ではあった」とコメント。
日米の関税交渉で5回目の協議を赤沢大臣が行っていたが「一致点はまだ見出していない」と述べている。石破総理もG7の席で日米首脳会談をするところで方向性を出したいと言っている。G7を使って日米協議をどう進展させるかについて、岸田前総理は、G7にはトランプ大統領も出席するので協議の場を得ることが大事だと主張。加えて、G7の場で国際社会、G7の雰囲気、思いをトランプ大統領にもインプットすることが大事なのではないかとの考えを示した。
最後に、不信任案が出された場合に衆院解散を行うか否かについては「これは総理大臣が政治生命をかけて判断することであって、私はコメントする立場にない」と述べた。
投票結果・李在明大統領就任で日韓関係はどうなると思う?。良くなる6%、悪くなる66%、どちらとも言えない28%。
約50年前に国政選挙に大きな変化。農村部で強かった野党議員が次々と落選し自民党議員に取って代わった。1967年~1968年は2年連続コメの収穫量が過去最高となり各地の倉庫に過剰米が眠る事態となった。そのため政府減反に舵を切った。米の価格も据え置きとなった。当時は経済成長も伴い物価上昇率は約4%~8%。それにも関わらず米価審議会は米価を据え置きを決定。コメ農家は米価値上げと価格安定のために選んだ道が政治への接近だった。拓殖大学・河村和徳教授は「農林水産省とつながっていき農水省側も農業団体に天下りという三者がウィンウィンの関係で成り立っていた」という。当時の田中角栄総理大臣は農村部のインフラ整備を訴えた。結果、自民党が単独過半数を獲得。コメ農家が農業票を使い自民党の協力な支持基盤として確立した。農家と政治家の強い結びつきが現れたのは外交。農業関係者が反対したのは米の市場開放。1993年GATTウルグアイ・ラウンドで農作物の貿易自由化を議論、日本は米国からのコメの輸入を迫られていた。去年公開された外交文書には1993年に行われたコメなどの市場開放をめぐりアメリカと行われた交渉の記録あった。細川内閣はミニマムアクセスという形で1993年12月にコメの部分開放の受け入れを決定。2009年の衆院選の目玉政策は戸別所得補償制度。主導してきたのは小沢一郎氏。2016年の参院選で与党・自民党が大勝。岩手・花巻市の成和農園の代表・小田島裕樹さんは「選挙が近くなってくると議員さんも組織票だったりを集めに挨拶だったり会社に直接来て応援してほしいとかお願いって形で来ます」と述べた。全国のJA数は496ある。JAグループには政府に政策提言を行うJA全中、農家の支援を行うJA全農、農家の資金管理を行う農林中金があり各自治体ごとに支部もある。組合員は約1000万人。立候補する議員から推薦の依頼を受け都道府県ごとにJA内で協議し推薦候補を決定する。小泉農水大臣はコメ価格の値下げに奔走している。おとといには「コメの緊急輸入も選択肢」と発言。
小泉流のコメ改革。農業票で動く選挙。小泉農水大臣は「コメの増産、流通の透明化、輸入米」など農業票の行方を左右しかねない発言を行っている。自民党・森山幹事長は当面、参議院選挙までは小泉大臣のやり方を見守って価格が下がるかみてみようとしているのではないか。参議院選挙後、生産農家の保護、主張を組み入れた政策をもう1回強く言ってくる可能性がある。橋下徹は「コメの価格が上がっていても生産者にお金が回っていない、日本酒の世界もそう。開放透明化が重要、輸入も1つのキーワード」と話した。