Nスタ (ニュース)
創業73年の日本料理店「辰巳」は証券取引所のある兜町を長年見守ってきた。株の史上最高値や歴史的な円安など今年の金融界では歴史的な出来事が続いた。2月、日経平均株価が史上最高値を更新すると、4万円の壁をもあっさりと突破。史上最大の乱高下もあった。さらに歴史的な円安を背景に日銀が17年ぶりに追加利上げを決定し金利のある世界が返ってきた。しかし「辰巳」3代目店主・津田昌彦さんは「景気回復の実感は全然ない」などと話す。店でも食材の価格が上がり厳しい状況だという。こうした中、今後の焦点は物価高に負けない賃上げ。節約志向の中でも「ノジマ 新宿タカシマヤタイムズスクエア店」では家電やおもちゃを中心にクリスマス商戦が大賑わい。ノジマは好業績を受けて来年大幅な賃上げを行うという。ベースアップ2%など平均7%ほど賃上げを行い、給与水準の引き上げ、人手確保を目指すという。大和総研・神田慶司シニアエコノミストは「実質賃金の上昇はこれから実現するのではないか」しかし「一部の業種についてはまだ価格転嫁が進んでいない」などと話す。課題は中小企業の賃上げだ。原料・人件費を価格に上乗せする「価格転嫁」は進むのか。物価高に負けないためにも「賃金は上がっていくもの」という考え方の転換を迫られる年になる。