NHKニュース7 (ニュース)
富士山が噴火した場合、都心を含む広い範囲の暮らしに大きな影響のおそれもある中、火山灰の量や範囲について予測した情報をどのように発表するべきかを検討する会合が、気象庁で初めて開かれた。東京都に水を供給している浄水場では火山灰から大切な水を守るふた代わりの太陽光パネルを設置しているほか、水槽のような施設をシートで覆うため、ワイヤーを設置する工事も進められている。もし富士山が噴火した場合、国はどのような情報を発信するべきか。気象庁で火山や防災情報の専門家などによる検討会が初めて開かれた。背景には、300年以上前の江戸時代に起きた富士山の噴火に相当する大規模な噴火が発生した場合、火山灰が首都圏の広い範囲に影響を及ぼすと想定されることがある。鉄道の運行システムは、レールに0.5ミリ積もるだけで運行が停止するおそれがあり、ジェット機のエンジンは火山灰を吸い込むと最悪の場合、停止。車の走行も困難になり、物流が滞って、食料や医療物資などが入手できなくなると見られ、雨などを含んで重くなった火山灰が木造住宅を押しつぶすおそれもある。きょうの会合で気象庁は、警報として発表することも含めて検討するとしている。降灰予報は、現在も鹿児島市の桜島などで発表されているが、今回検討するのは、この予報で多量としている降灰よりさらに多く、3センチ以上や30センチ以上の降灰が予測された場合が対象。検討会では、情報の在り方について、年度内に結論を出したいとしている。