ニュースウオッチ9 (ニュース)
水産庁によれば、きょう発表された先月のクロマグロの漁獲量は今の形の管理が始まって以降、4月として最も多くなった。クロマグロは厳しい規制のもとにあり、国内の沿岸で漁獲されるものは都道府県ごとに4月からの1年間の漁獲枠が定められているため、地域によってはわずか1カ月で1年分の漁獲枠を上回りかねない異例の事態となっていて、とれたマグロを海に逃がさざるを得ない漁業者も出てきている。東京都江東区のマグロ専門店を取材したところ、この日は鳥取県の境港で揚がった本マグロを使用していた。マグロの産地をめぐり異変が起きているという。マグロ専門店の伊波琉斗店長は、聞いたことない所から揚がるマグロが、ことし特に多いなどとコメント。静岡県伊東市では、かつてあまり見られなかったクロマグロが沿岸の定置網に入るようになった。定置網の漁業会社を経営する日吉直人は、漁獲枠を超過したくないなどとコメント。静岡県では先月、今年度割り当てられた定置網漁の大型クロマグロの漁獲枠の95パーセントに達した。このため県はクロマグロの放流について漁業者に勧告。日吉によると、放流した場合ほかの魚の水揚げ状況に影響してくる。
漁獲量が増えた背景に資源量の大幅な回復があるとみられる。太平洋クロマグロの資源量は乱獲などの影響で一時大きく減少。2010年には親となる成魚が歴史的最低水準にまで落ち込み、管理を行う国際会議が規制を強化。その後、資源量は大幅に回復し2021年には国際会議が目標としていた水準を達成し、去年から漁獲枠が拡大。今後、漁獲枠の増枠につなげるべきと主張する北海学園大学の濱田武士教授は、今の漁獲枠の制限は日本の漁業に不合理を生んでいるなどと指摘。漁獲枠について慎重に検討をと主張する東京海洋大学の片野歩特任教授は、とり過ぎてしまったら魚がいなくなるなどとコメント。鈴木農相は、クロマグロを逃がす作業や、そのための網改良の経費に国として支援を行っていると説明した上で、適切な漁獲枠が設定されるよう議論を積極的に主導していきたいなどと会見。漁獲枠を増やせるよう関係国と交渉していく考えを示した。夏には資源管理について話し合う国際会議が行われる。
