光る君へ 光る君へ紀行
越前守となった父・藤原為時に同行し都を出た紫式部は、道中での様々な情景を歌に残している。滋賀県高島市の白髭神社には、都を恋しがるように詠んだ歌の歌碑が建てられている。琵琶湖の最北端・塩津では、日本海側へと続く険しい山の道のりと世の中を生きていく辛さと重ね合わせて歌を詠んでいる。峠を超えた先にある敦賀市は、古代から大陸との玄関口として栄えた港町。北陸の総鎮守・氣比神宮があるこの敦賀に、かつて迎賓館だった松原客館があった。都を離れ、大陸からの風を肌で感じ越前。その旅路は紫式部の感性に大きな影響を与えたと考えられる。