時論公論+ (時論公論+)
今年4月から高校進学の支援金の所得制限が撤廃された。来年4月からは私立高校の加算分が増額される。高校授業料の無償化の背景には少数与党がある。今年前半に今年度予算を成立させるために維新が求めていた高校授業料の無償化を予算に取り入れることで自公政権は維新の賛成を取り付けた。無償化の話があがる前から少子化で公立高校は厳しい状況に置かれていた。
文部科学省は今回の補正予算で公立高校改革支援に30000億円近くを計上している。対象となるのはエッセンシャルワーカー育成、理数系人材育成など。政府は将来の労働力需要とのギャップが出ると指摘している。経済産業省の算出では事務・販売・サービス業では約300万人が余る一方、AI・ロボット活用などの供給人材は約300万人不足するリスクがあるとしている。日本は義務教育終了段階では国際学力調査で数学と科学はトップ水準だが高校・大学で理数系に進学する人は少なく結果的に現状のままいくと理数系人材が足りなくなると言われている。生徒・保護者などの意識、大学での学び、社会の変化が相互に関わっている。文部科学省は大学側に理系転換や文理融合を促す方針。教育支援機構・荒瀬克己理事長は人材供給ばかり意識するのではなく生徒を主語に進めることが欠かせないなどと指摘している。
