特集 トランプ政権が圧力 揺れる“歴史展示”

2026年7月30日放送 10:38 - 10:46 NHK総合
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建国ゆかりの地、東部フィラデルフィアで集会が行われ、この場所の歴史を巡る展示に起きたある変化に抗議する人たちが集まっていた。初代大統領ジョージ・ワシントンが住んでいた家の跡地には奴隷制の歴史を伝えるパネル展示があるが、この家にいた9人の奴隷などについて説明するパネルを管理する国立公園局が今年1月に撤去した。根拠となったのがトランプ大統領が去年3月に署名した大統領令。公共の展示でアメリカ人を不当におとしめてはならないとしたことを受けての対応だった。大統領令の影響はスミソニアン協会が運営する博物館にも及んでいる。ホワイトハウスは去年、博物館の展示を調査すると発表。トランプ政権は博物館を運営する協会をリベラル寄りとみなし、展示のあり方に批判の矛先を向けた。今月4日には独立記念日にあわせて報告書を公表。スミソニアン協会が運営する博物館の一つ、アメリカ歴史博物館について急進的な活動家のイデオロギーに支配されていると主張した。連邦議会下院では歴史博物館の館長を呼んで公聴会が開かれた。アンシア・ハーティグ館長が「客観的・中立であるよう努めている」と主張したのに対し、保守系シンクタンク・ヘリテージ財団のマイク・ゴンザレス研究員は「スミソニアン協会はアメリカを邪悪に描いている」と指摘。
公聴会で証言した保守系シンクタンク・ヘリテージ財団のマイク・ゴンザレス研究員はスミソニアン協会の展示はアメリカの歴史をゆがめていると主張している。LGBTQをめぐる歴史の展示を例に挙げ、「子どもを純粋なまま育てないといけない。堕落したものを見せてはいけない」と語った。アメリカ歴史博物館の展示は性的マイノリティーへの差別や当事者が自分を表現しようとしてきた歴史を紹介するもの。ゴンザレスさんは展示の一部が不適切としたうえで、スミソニアン協会が急進的な考えのもとにアメリカ社会を変えようとしていると主張している。さらに、アメリカの建国に関わった指導者たちの展示が不十分と主張。議会や政府の働きかけによって運営陣を解任させる必要があるとしている。これに対し、博物館の独立性は守られるべきではないかと尋ねると「そう考える人たちは間違っている。博物館は本来アメリカ国民のもので、政権にはそれを取り戻す権利がある」と答えた。一方で、トランプ政権が歴史展示のあり方を左右することを警戒する人たちもいる。マリア・スプレーンマラゴンさんは博物館などでの展示を写真に収め、撤去や変更を見逃さない活動を行う市民団体に参加している。団体はこれまでにスミソニアンの全ての博物館などで5万点以上の展示を撮影。参加したボランティアは約2000人にのぼる。こうした活動によって展示がどのように変わったのか明らかになったケースも出ている。トランプ大統領の肖像写真の説明文は博物館の視点から解説されていたが、現在は演説の抜粋や年表に変更されている。スプレーンマラゴンさんは政権からの圧力が強まり博物館の独立性が危機にさらされているとして、市民の目で博物館の変化を追い続けることが重要と考えている。


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