NHKニュース おはよう日本 (ニュース)
武力攻撃に至らない、いわゆるグレーゾーン事態を巡っては、沖縄県の尖閣諸島周辺で、中国軍の指揮下にある海警局の船が領海への侵入を繰り返している一方、ヨーロッパでは破壊工作ともみられる海底ケーブルの損傷事案が相次いでいる。こうした中、EU(ヨーロッパ連合)の複数の関係者によると、日本とEUはタイと連携して、今月25日から2日間の日程で、バンコクでフィリピンやベトナムなど東南アジア5か国の海上保安当局者などがグレーゾーン事態への対応などを学ぶ研修を合同で開く。具体的には、領海に侵入した船に対しては、事態の緊迫化を防ぐため、軍ではなく海上保安当局が国内法に基づいて対応することの重要性や、海底ケーブルの損傷事案には、国際法を適用して対処できることなどを学ぶ。日本とEUがこうした研修を合同で開くのは初めてで、EUとしては日本と連携し、海洋進出を強める中国をけん制するねらいがあるものとみられる。