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利用が低迷し赤字が続く地方の公共交通をどう維持するかが課題になる中で岩手県内のJRの路線ではJR東日本と地元のバス会社が鉄道の乗車券があれば並行して走る路線バスも利用できるようにする計画を国土交通省に申請したことが分かった。盛岡駅と沿岸部の宮古駅を結ぶJR山田線は昨年度の1日平均の利用客数が87人と国鉄からJRに民営化された1987年度のおよそ8%に落ち込み、大幅な赤字が続いている。こうした中、JR東日本と岩手県北バスは鉄道と路線バスが並行して走る区間でJRの乗車券があれば路線バスも利用できるようにする計画を先月国土交通省に申請したことが関係者への取材で分かった。JRとバス事業者は本来競争関係にあるが、独占禁止法の特例として運賃を調整することが認められていて両社としては利便性を高め公共交通の維持につなげる考え。国土交通省によると、今回の申請はJRとバスという組み合わせではJR四国が徳島県内の路線で地元のバス会社と行っている取り組みに続いて全国で2例目だということだ。地方の公共交通を巡っては利用者が減るので便数を減らす、すると不便になるのでより利用者が減るという悪循環に陥ってしまうことから路線の利用者をどう維持するかが課題となっている。四国のケースでは、JRが便を減らした分、バス会社が補う形で目的地までの乗り継ぎがしやすくなるなど利便性を高めることで利用者を維持することに成功したということで、今後、こうした動きがさらに広がっていくことも予想される。