テレメンタリーPlus 異才と呼ばれて
小学6年生の濱口瑛士くんは自閉スペクトラム症を抱えており、コミュニケーションに困難を抱えている。不登校が長く続き、家に籠って絵に没頭。「変人」といじめられた経験から「普通になりたい」との思いを抱えていた。こうした中、東京大学で才能があっても学校に居場所がない子どもたちのための学びの場が生まれた。全国600人の応募の中から15人が選抜され、瑛士くんもその1人に選ばれた。15人の子どもたちが集まって異才発掘プロジェクト「ロケット」がスタート。日本財団の支援の元、独自の授業や研修で子どもたちの可能性を広げていく。
ロケットには教科書も時間割もない。プロジェクトのリーダーを務める中邑賢龍先生は「学校と全く逆のことをやって、その中で子どもが納得していくというプロセスが才能を潰さないことにつながる」などと話した。中邑先生は子どもたちに「突き抜けろ」とメッセージを伝え続けた。瑛士くんはロケットの環境の中で益々絵に没頭し、13歳で画集を出版。展覧会などにも挑戦するようになった。
瑛士くんの人生を大きく変えたのが中学2年生の時の海外研修。ロケットからの課題は「サイバスロンとアウシュビッツを結び付け、今の世の中を考えよ」。サイバスロンは最新技術を使って障害者が競技に挑む大会。アウシュビッツはナチス・ドイツによる大虐殺が行われた地。中邑先生は課題を通して「力がある方がいい、頭の回転が速い方がいい。そういうひとつの軸の中で君らは追い詰められてきた。それでも『俺はこれでいい』と堂々と生きる人間がもう少し増えていかないといけない」と子どもたちに伝えた。帰国した瑛士くんはこれまで遠ざけてきた人間と向き合おうとするようになった。瑛士くんは「人にも誰にも興味を示さなかった自分がこんなに変わったのが嬉しい」などと話した。
